検査で異常なしでも疲れが続く|プレ更年期かを迷う前に、重い日を周期で見分ける

更新: 2026年9月20日
検査で異常なしでも疲れが続く|プレ更年期かを迷う前に、重い日を周期で見分ける

朝晩が涼しくなってきたのに、疲れが抜けない。眠りは浅いまま、生理の周期も読めなくなってきた。婦人科で検査を受けても「異常なし」「まだ更年期じゃないですよ」と言われ、それでも不調は続いている。

こういうとき、多くの方が「更年期の症状リスト」を検索します。そして、当てはまるような、当てはまらないような、はっきりしない気持ちのまま画面を閉じることになります。

ここでひとつ、お伝えしておきたいことがあります。体調が悪い日ほど、記憶は「ずっと悪かった」に寄ります。実際には軽い日もあったのに、しんどい記憶だけが残る。だから「最近ずっとダメで」としか言えなくなるのです。

この記事では、症状の名前を当てにいくのをやめて、「いつ重いか」を4〜6週間だけ記録する方法をお伝えします。書くのは1日3行。それだけで、次に婦人科へ行くのか、内科なのか、生活のリズムから整えるのかが決まります。

まず確認:様子を見ずに婦人科へ行ってよいサイン

記録より先に、ここだけ確認してください。次のような場合は、期間を置かずに受診してよいサインです。

  • 妊娠の可能性がある
  • 月経が3か月以上止まっている
  • 月経周期が大きく乱れた状態が続いている
  • 経血量が急に増えた、または不正出血がある
  • 強い倦怠感・動悸・息切れ・めまい、急な体重変化など、日常生活に支障が出る症状が続いている

ひとつも当てはまらなくても、婦人科に行ってはいけないわけではありません。 「この程度で行っていいのかな」とためらう方は多いのですが、初診は問診と血液検査だけで終わることもあります。内診が不安なら、予約のときや問診票に「内診は避けたい」と書いておけば相談に乗ってもらえます。行ったことがないから行きにくい、という方こそ、一度行っておくと次から楽になります。

気になっていることを、先に書き出す

記録を始める前に、今の状態をざっと振り返っておきましょう。これは原因を当てるためのリストではなく、あとで医師や周りに話すときのために、気になっていることを言葉にしておくためのものです。

当てはまるものに印をつけてみてください。

  • 疲れが取れず、休んでも回復しにくい
  • 眠りが浅い、夜中に目が覚める
  • 生理の周期や経血の量が以前と変わってきた
  • 肌のごわつきや乾燥が気になる
  • イライラしたり、理由もなく落ち込んだりする
  • ほてりや急な発汗を感じることがある
  • 肩こりや頭痛が起きやすくなった

印がいくつ付いたかは重要ではありません。どれも「更年期にもそれ以外にも当てはまる」症状だからです。数を数える代わりに、次の記録に進みましょう。

印をつけたものは、消さずに残しておいてください。受診のとき、記録と一緒に見せると伝え漏れが減ります。診察室では、覚えてきたはずのことほど出てこないものです。

4〜6週間、3行だけ記録する

検査で異常なし。でも不調は続いている。このとき手詰まりに感じるのは、症状の種類で原因を当てようとしているからです。

理由があります。ホルモンの変動も、気温差による負担も、仕事の疲れも、最終的には脳の同じ場所(視床下部)に負荷をかけます(女性の健康とメノポーズ協会)。だから、だるさ・眠りの浅さ・肩こり・気分の波は、原因が違っても似た形で出ます。症状の見た目で切り分けるのは、そもそも無理があるのです。

そこで軸を変えます。見るのは「どんな症状か」ではなく「いつ重いか」。婦人科で月経前の不調と更年期の不調を見分けるときも、症状の種類ではなく月経周期との関係を見ます(日本産科婦人科学会)。お医者さんと同じ軸ということです。

何を書くか:1日3つだけ

  • 朝の目覚めの重さ(0=すっきり、1=ふつう、2=重い、3=起き上がるのがつらい)
  • 生理周期の何日目か(月経が始まった日を1日目として数えます)
  • その日の最高気温と最低気温(天気アプリの数字のままで十分です)

重さの0〜3は、よく使うのが真ん中の1と2なので、目安を決めておくと迷いません。2は「目覚ましを止めてから起き上がるまでに時間がかかった日」、1はそれより軽い日、と考えてください。絶対的な基準は要りません。最初の1週間でいちばん軽かった日を自分の0として、そこからの差で付けていけば十分です。

夕方や夜のほうがつらい、という方もいらっしゃると思います。それでも朝で揃えるのは、毎日同じ条件で比べられるのが朝だからです。夕方の体調はその日の予定に左右されますが、朝の重さは前の晩からの積み重ねが出ます。気になる日は、余白に「夕方きつい」とだけ書き足しておけば、あとで見返したときの手がかりになります。

書くとこうなります。

日付重さ周期気温
9/1405日目30 / 23
9/1516日目30 / 24
9/1607日目31 / 23
9/1728日目25 / 18
9/1839日目24 / 17
9/19110日目28 / 21
9/20011日目30 / 22

この1週間は、9/16から9/17にかけて最高気温が6度下がっています。その日と翌日の重さが2と3になり、気温が戻った9/19から軽くなっています。周期はまだ前半なので、この週にかぎっては気温のほうが効いていそうだ、と見当がつきます。

名古屋の9月から10月は、こうした落差が出やすい時期です。平年値で見ても、日中の気温は9月と10月で6度近く違います(気象庁)。数字を並べるだけで、記憶では分からなかったことが形になります。

スマホのメモに「体調」というメモを1つ作って、毎朝1行ずつ足していくのがいちばん続きます。手帳のすみでも構いません。

今日から始められないときは

月経が始まった日を覚えていない方は、「周期の日数」の欄を空けたまま始めてください。 次の生理が来た日を1日目として、そこから数え直せば大丈夫です。それまでの記録も、気温と重さだけで十分に役立ちます。

生理周期を記録するアプリを使っている方は、そのアプリの日数をそのまま書き写せば済みます。

続けるための、ゆるい決まりごと

毎日きっちり、と思うと続きません。先に緩めておきます。

  • 朝に書けなければ、夜でも構いません。 その日の朝がどうだったかを思い出して書けば十分です
  • つけ忘れた日は空欄のままで大丈夫。 数日抜けても、全体の傾向は読めます
  • 気温は後からでも調べられます。 天気アプリの過去の記録や気象庁のサイトで、あとからまとめて埋められます

完璧な記録より、途切れながらでも4〜6週間続いた記録のほうが役に立ちます。

記録の読み方:重い日がどこに集まるか

4〜6週間たったら、「2」と「3」をつけた日がどこに集まっているかを見ます。

生理周期の後半に集まっている場合 28日周期ならおおよそ15日目以降、いつもの周期が35日なら20日目以降が「後半」の目安です。ここに重い日が偏るなら、ホルモンの変動が関係している可能性があります。次の受診で話す材料になります。

最高気温と最低気温の差が大きい日に集まっている場合 気温差による負担が上乗せされている可能性があります。秋や春に不調が増える場合は、このパターンが考えられます。手をつける順番は、眠りと温度差からです。

曜日や仕事の繁忙に連動している場合 働き方と睡眠のリズムが軸になります。この場合は、まず起きる時間を一定にするところから試してみてください。

どれにも寄らず、2〜3周期続く場合 貧血や甲状腺の不調など、婦人科以外の原因が隠れていることがあります。内科で相談してみてください。

それぞれ、もう一歩知りたい方はこちらもどうぞ。周期と体調の関係は生理前の肌荒れが治らない理由、気温差への対処は秋バテで仕事に集中できないと休んだのに疲れが抜けないのはなぜ?、疲れと気分の落ち込みが重なる場合は隠れ貧血がメンタルを不安定にする3つのメカニズムにまとめています。

正直にお伝えしておきたいこと

読み終えたあとに気づくと思うので、先にお伝えしておきます。実際には、これらは重なることのほうが多いです。周期の後半に、たまたま冷え込んだ日が重なり、しかも仕事が立て込んでいた。そういう日が「2」や「3」になります。

ですから、記録の目的は原因を1つに特定することではありません。次に誰へ何を見せるかを決めることです。それが決まれば、宙ぶらりんの状態からは抜け出せます。きれいに1つへ絞れなくても、記録は無駄になりません。

期間を4〜6週間としたのは、まず1周期分をまたいで見るためです。婦人科が月経前の不調を見立てるときには2周期分の記録が推奨されているので、続けられそうならそこまで。ただ、まずは4〜6週間で一度見てみるだけで十分です。

記録を持って、もう一度婦人科へ

記録が溜まったら、それを持って受診します。ここが記録をつける目的です。

診察室で何を言えばいいか

半年前の診察で「なんか疲れが取れなくて……」としか言えなかった、という方は少なくありません。記録があると、伝え方が変わります。

「なんとなく不調です」より「周期の後半に集中しています」のほうが、医師は見立てを立てやすくなります。 記録そのものを見せてしまうのがいちばん早いです。

あわせて、気になっていることは遠慮せずに聞いて構いません。たとえば「疲れが続いているので、貧血や甲状腺も調べてもらえますか」と伝えるのは、まったく失礼なことではありません。以前に血液検査を受けている方は、そのとき何を調べたのかを聞いてみるのもよいと思います。項目に入っていなかった可能性もあります。

「また来たの」と思われないか、が気になる方へ

一度「異常なし」と言われた場所に行き直すのは、気が重いものです。けれど、前回と違うものを持って行くのだと考えてみてください。前回は症状の訴えだけでした。今回は、いつ重くなるかの記録があります。これは前回とは別の情報です。

医療機関は、経過を見るために再診する人を日常的に受け入れています。「1か月記録をつけてきたので見てください」は、受診理由として十分に成立します。

それでも、あの先生の前でまた同じ顔をされたら——と思うのなら、別の婦人科を選んでも構いません。記録があれば、初めての病院でも話は早く進みます。経過が形になっている分、むしろ初診で伝わりやすいくらいです。行き直すかどうかではなく、持って行く先を選べると考えてみてください。

また「異常なし」と言われたら

その可能性もあります。そのときは、記録を持って内科へ行ってみてください。貧血や甲状腺の不調は、更年期の症状とよく似ていて見分けがつきにくいものです。婦人科で問題が見つからなかったという事実は、次に調べる場所を絞り込めたということでもあります。

そして、記録を続けていること自体が、生活の中で手をつけられる場所を教えてくれます。気温差に弱いと分かれば、寒暖差の大きい日の前夜を変えられます。原因が1つに決まらなくても、できることは残ります。

そもそも「プレ更年期」とは

ここまで読んで、「で、結局これはプレ更年期なの?」と思われたかもしれません。言葉の整理をしておきます。

「プレ更年期」は医学の正式な用語ではなく、おおむね30代後半〜40代前半を指して使われる俗称です。一方で更年期は、閉経の前後5年間を合わせた約10年間を指す医学的な時期で(日本産科婦人科学会)、厚生労働省は平均的な閉経年齢をもとに「一般的には45〜55歳頃」と説明しています(働く女性の心とからだの応援サイト)。

疲れが続いているとき、体に起きていること

女性ホルモンが急激に減るのは、40歳代後半から50歳代にかけてです(ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班監修))。30代後半は、まだその時期ではありません。

では何が起きているのか。女性の健康とメノポーズ協会は、20〜30代の月経不順について、その多くは過労や睡眠の不足、ストレスによって体の調整がうまくいかなくなっている状態だと説明しています(女性の健康とメノポーズ協会)。

ここは誤解されやすいところなので、はっきり書いておきます。これは「頑張りが足りない」という意味ではありません。むしろ逆で、それだけの負荷がかかり続けている、という話です。30代でも40代でも、体は正直に消耗します。

なお、30代後半で更年期のような不調が出ることを「若年性更年期」と呼ぶことがありますが、そのような病名はありません(女性の健康とメノポーズ協会)。ただし、40歳未満で半年以上月経が止まり、検査で卵巣の働きの低下が確認される状態は「早発卵巣不全(POI)」と呼ばれ、実際にあります(日本産婦人科医会)。月経が長く止まっているなら、自己判断せず受診してください。

40代に入っている方へ

40歳を過ぎている方は、更年期の入り口に届いている可能性も含めて考えてよい時期です。 早い人は40代に入ってすぐ症状を自覚することもあるとされています(ヘルスケアラボ)。「まだ早い」と、ご自分で線を引かなくて大丈夫です。

とはいえ、やることは同じです。記録の重い日が周期の後半に偏るなら、それを持って婦人科へ。月経と関係なく出ているなら、そのことも含めて相談する。年齢で自分を仕分ける必要はありません。 実際、婦人科も年齢ではなく月経周期との関係を見て判断します。

すでにつらい症状がはっきり出ていて、今すぐ対処法を知りたいという方は、更年期の不調を改善する自律神経とホルモンバランスの整え方のほうが役に立つと思います。

記録をつけている間の、生活の土台

記録の4〜6週間も、できることはあります。どれも目新しくはありませんが、土台としては効きます。

起きる時間を一定にする。 睡眠は、量よりリズムです。毎日だいたい同じ時間に起きるだけでも、体内時計が整いやすくなります。記録をつけていると、この効果が数字で見えるのも利点です。

食事は、大豆製品を普通に。 納豆や豆腐、味噌はたんぱく質の供給源になります。大豆イソフラボンは女性ホルモンと構造が似ていますが、サプリメントで量を増やせばよいというものではなく、食品安全委員会も摂りすぎに注意を促しています(食品安全委員会)。普通に食べる分で十分です。詳しくは更年期の不調にエクオールは効く?で解説しています。

歩く時間を少し。 ウォーキングやストレッチは、血行を促し、自律神経のバランスを整える助けになります。頭痛が起きやすい方は30〜40代女性の片頭痛セルフケア、夜にうまく切り替えられない方はPMS・更年期の不調を職場で言えない働く女性へもどうぞ。

まとめ:見分けるのは症状ではなく、時間軸

要点を整理します。

月経が止まる、不正出血がある、日常生活に支障が出るほど症状が強い。このような場合は、記録を待たずに婦人科へ。

そうでないなら、1日3行を4〜6週間。朝の重さ、周期の日数、その日の気温差。つけ忘れた日は空欄で構いません。重い日がどこに集まるかが見えたら、それを持って受診します。

症状の名前を当てにいくより、いつ重いかを持っていくほうが、話は前に進みます。 今日は、スマホにメモを1つ作るところから。それだけで十分です。

よくある質問(Q&A)

Q: 婦人科で「異常なし」と言われました。次はいつ受診すればいいですか?

不調が続くなら、4〜6週間の記録をつけたうえで再受診するのがおすすめです。記録があると「疲れが取れません」ではなく「周期の後半に集中しています」と伝えられ、医師も見立てを立てやすくなります。ただし月経が止まる、不正出血がある、日常生活に支障が出るほど症状が強いなどの場合は、記録を待たずに受診してください。

Q: 一度「異常なし」と言われたのに、また行くのは気が引けます。

前回と違うものを持っていくのだと考えてみてください。前回は症状の訴えだけでしたが、今回はいつ重くなるかの記録があります。これは前回とは別の情報です。「1か月記録をつけてきたので見てください」は、受診理由として十分に成立しますし、経過を見るための再診は日常的に行われています。

Q: 記録は後から書いてもいいですか。つけ忘れた日はどうすれば?

後から書いて構いません。朝に書けなければ夜に、その日の朝がどうだったかを思い出して書けば十分です。つけ忘れた日は空欄のままで大丈夫で、数日抜けても全体の傾向は読めます。気温は天気アプリの過去記録などから後でまとめて埋められます。

Q: 排卵日が分からないので、「周期の後半」が判断できません。

排卵日を特定する必要はありません。月経が始まった日を1日目として数え、28日周期ならおおよそ15日目以降、35日周期なら20日目以降を「後半」の目安と考えてください。周期の長さに個人差があるので、ご自身のいつもの周期の半分を過ぎたあたり、と捉えれば十分です。

Q: 月経が始まった日を覚えていません。今日から始められますか?

始められます。「周期の日数」の欄は空けたまま、朝の重さと気温だけ書いてください。次の生理が来た日を1日目として、そこから数え直せば大丈夫です。それまでの記録も、気温との関係を見るのに役立ちます。

Q: 記録を持って受診して、また「異常なし」と言われたらどうすれば?

記録を持って内科へ相談してみてください。貧血や甲状腺の不調は更年期の症状とよく似ていて見分けがつきにくく、婦人科で問題が見つからなかったことは、次に調べる場所を絞り込めたということでもあります。受診の際は「貧血や甲状腺も調べてもらえますか」と伝えて構いません。

Q: プレ更年期と更年期はどう違うのですか?

プレ更年期は医学用語ではなく俗称で、おおむね30代後半〜40代前半の不調を説明するために使われます。一方、更年期は閉経の前後5年ずつ、合わせて約10年間を指す医学的な時期です。女性ホルモンが急激に減るのは40歳代後半から50歳代とされており、30代後半はその時期にあたりません。

Q: 疲れが取れないのは、年齢のせい?それともプレ更年期?

30代後半の慢性的な疲労は、過労や睡眠不足、ストレスによって体の調整がうまくいかなくなっていることが多いとされています。ただし、貧血や甲状腺の不調など、別の原因が隠れている場合もあります。記録をつけても重い日が周期にも気温にも寄らず、2〜3周期続く場合は、内科で相談してみてください。

Q: プレ更年期の不調に、サロンの施術は役立ちますか?

原因の見極めは医療機関が前提です。そのうえで、当サロンには記録をつけながら通われる方もいらっしゃいます。肩や首の緊張をゆるめる時間は、張りつめた状態を切り替えるきっかけになります(感じ方には個人差があります)。施術で原因が分かるわけではありませんので、受診の目安に当てはまる場合は、まず医療機関へお越しください。