更年期の中途覚醒は体温リズムの乱れが原因|血流改善で深い眠りを取り戻す方法

更年期の中途覚醒は体温リズムの乱れが原因|血流改善で深い眠りを取り戻す方法

「夜中に何度も目が覚めて、朝起きた時点でもう疲れている」

そんな日々が続いていませんか。

40 代後半から 50 代にかけて、多くの女性がこの悩みを抱えています。若い頃は一度眠れば朝までぐっすりだったのに、今では夜中に 2 回、3 回と目が覚める。ときにはカーッと体が熱くなって、寝汗をかいて起きてしまうこともある。

そして翌日は、仕事中に集中力が続かない、会議で頭がぼんやりする、午後になると眠気に襲われる——。睡眠不足が日中のパフォーマンスにまで影響していると感じている方も多いのではないでしょうか。

これは単なる「年齢のせい」ではありません。更年期に起こる体の変化、特に体温調節の仕組みが大きく関わっています。

この記事では、なぜ更年期になると夜中に目が覚めやすくなるのか、そのメカニズムを分かりやすく解説します。そして、薬に頼らずに睡眠の質を改善するための「血流改善」という視点から、今日から実践できる具体的な方法をお伝えします。

なぜ更年期になると夜中に目が覚めるのか

まずは、更年期の中途覚醒がなぜ起こるのか、体の中で何が起きているのかを理解しましょう。原因が分かれば、対策も見えてきます。

エストロゲン低下が体温調節を乱すメカニズム

更年期に分泌が減少する女性ホルモン「エストロゲン」は、実は体温調節に深く関わっています。

エストロゲンは脳の視床下部(脳の中にある”体温調節の司令塔”のような部分)に作用し、体温を一定に保つ働きを助けています。このホルモンが減ると、視床下部の体温調節機能が不安定になり、ちょっとした刺激で「暑い」「寒い」という信号が過剰に出てしまうのです。

これが、急に顔や上半身が熱くなるホットフラッシュや、逆に手足が冷たくなる冷えにつながります。

深部体温が下がりにくくなる原因

私たちが深い眠りに入るためには、深部体温(体の内部の温度)が下がることが必要です。

通常、夕方から夜にかけて深部体温は自然と下がり始め、その下降とともに眠気が訪れます。ところが更年期には、この体温リズムが乱れやすくなります。

深部体温を下げるには、体の熱を手足などの末梢から放出する必要があります。しかし、血流が滞っていると熱が末梢にうまく運ばれず、放熱がスムーズにいきません。結果として深部体温が高いままになり、眠りが浅くなったり、夜中に目が覚めやすくなったりするのです。

ホットフラッシュと中途覚醒の関係

ホットフラッシュは、視床下部の体温調節機能の乱れによって起こります。本来なら体温が上がっていないのに「暑い」という誤った信号が出て、急に血管が拡張し、発汗が起こります。

この現象は夜間にも起こります。睡眠中にホットフラッシュが起きると、急激な体温変化で脳が覚醒状態になり、目が覚めてしまいます。

厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、40〜60 歳代女性の 4 割以上が「睡眠で休養が十分にとれていない」と回答しています。ただし、症状の程度には個人差が大きく、まったく気にならない方もいれば、毎晩のように悩まされる方もいらっしゃいます。

体温リズムを整える 3 つの血流改善習慣

体温調節と血流は密接に関係しています。血流を改善することで、体の放熱機能を助け、睡眠の質を向上させることができます。以下の 3 つの習慣を、できるところから取り入れてみてください。

就寝 90 分前の入浴で深部体温を上げる

「体温を下げたいのに、お風呂で上げるの?」と思われるかもしれません。

実は、一度しっかり深部体温を上げると、その後の反動で体温が大きく下がります。この下降カーブに乗ることで、スムーズに眠りに入れるのです。

具体的なポイント

  • 就寝の 90 分前に入浴を終える(目安として 10 時就寝なら 8 時半に上がる)
  • お湯の温度は 38〜40 度のぬるめが適温(夏場は 38 度程度、冬場は 40 度程度を目安に)
  • 15〜20 分程度ゆっくり浸かる
  • 熱すぎるお湯は交感神経を刺激するので避ける

入浴後は体がポカポカしますが、90 分かけてゆっくり深部体温が下がっていきます。この「体温の下がり坂」のタイミングで布団に入ると、自然な眠気が訪れやすくなります。

帰宅が遅くなる場合は

残業などで帰宅が遅く、就寝 90 分前の入浴が難しい場合は、シャワーで済ませるか、足浴で代替する方法もおすすめです。洗面器にお湯を張り、くるぶしの上まで 15 分程度浸けるだけでも、末梢の血流を促進する効果が期待できます。

ただし、入浴のタイミングや温度の好みには個人差があります。まずは目安として試してみて、ご自身に合った方法を見つけてください。

手足の末梢血流を促進する簡単ストレッチ

深部体温を下げるには、手足から熱を放出することが大切です。そのためには、末梢の血流を良くしておく必要があります。

就寝前におすすめの簡単ストレッチ

  1. 足首回し

    • 椅子に座り、片足を太ももの上に乗せる
    • 足首をゆっくり大きく 10 回ずつ、内回し・外回し
  2. グーパー運動

    • 手の指を思いきりグーに握り、5 秒キープ
    • 思いきりパーに開いて、5 秒キープ
    • これを 10 回繰り返す
  3. ふくらはぎマッサージ

    • 足首からひざに向かって、両手で優しく揉み上げる
    • 左右各 1 分程度

これらはベッドの上でもできる簡単な動きです。血流が促進されると、手足がじんわり温かくなり、その後の放熱がスムーズになります。

夕方の軽い運動で体温リズムにメリハリをつける

体温には 1 日のリズムがあり、夕方 16 時〜18 時頃に最も高くなります。この時間帯に軽い運動をすると、体温のピークがより高くなり、その後の下降カーブも大きくなります。

おすすめの運動

  • 15〜20 分程度のウォーキング
  • 軽いストレッチやヨガ
  • 階段の上り下り

激しい運動は必要ありません。少し汗ばむ程度の軽い運動で十分です。

ただし、就寝直前の運動は交感神経を刺激して逆効果になるため、就寝 2〜3 時間前までに終えるようにしましょう。お仕事の都合で夕方に時間が取れない場合は、帰宅時に一駅分歩くなど、できる範囲で工夫してみてください。

デスクワーク女性が陥りやすい睡眠の落とし穴

デスクワークが中心の生活は、知らず知らずのうちに睡眠の質を下げる要因をつくってしまいます。

日中の座りっぱなしが末梢血流を悪化させる

長時間座り続けていると、特に下半身の血流が滞ります。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、足に下がった血液を心臓に戻すポンプの役割を果たしていますが、座りっぱなしではこのポンプが働きません。

その結果、以下のような悪循環が生まれます。

  • 下半身の血流が悪くなる
  • 熱の循環が滞る
  • 深部体温の調節がうまくいかない
  • 夜になっても体温が下がりにくい
  • 睡眠の質が低下する

1 時間に 1 回は立ち上がって軽く体を動かす、こまめに水分を取るなど、小さな工夫を積み重ねることが大切です。

夜のブルーライトが体温リズムをさらに乱す

スマートフォンやパソコンから発せられるブルーライトは、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を抑制します。

メラトニンには体温を下げる働きもあるため、夜遅くまでスマートフォンを見ていると、体温が下がりにくくなります。更年期で体温調節が乱れやすい状態に、ブルーライトの影響が重なると、睡眠への悪影響はさらに大きくなります。

対策として

  • 就寝 1〜2 時間前からはスマートフォンの使用を控える
  • 夜間モード(ナイトシフト)を活用する
  • どうしても使う場合はブルーライトカットメガネを使用する

難しい場合は、せめて布団に入ってからのスマートフォン使用を控えることから始めてみてください。

サロンでできる更年期の睡眠サポート

セルフケアに加えて、専門的なケアを取り入れることで、より効率的に体質改善を進めることができます。

当サロンでは、微弱電流を用いた施術で血流改善をサポートしています。微弱電流は、人間の体に流れている生体電流と同レベルの、ごく弱い電流です。スポーツ医学の分野では組織修復や血流促進への効果が報告されていますが、作用メカニズムについてはまだ研究段階の部分もあります。

当サロンでは、更年期の睡眠にお悩みの方に以下のようなアプローチを行っています。

  • 首や肩周りの血流改善による自律神経へのアプローチ
  • 全身の巡りを整えることでの体温調節機能のサポート
  • リラックスを促す施術による副交感神経の活性化

施術の効果には個人差があり、すべての方に同様の結果が得られるとは限りません。ただ、「施術を受けた夜はぐっすり眠れた」「だんだん夜中に目が覚める回数が減った」というお声をいただくこともあります。

※当サロンの施術は医療行為ではありません。症状が重い場合は、まず医療機関への受診をおすすめします。

セルフケアに加えて専門的なケアを取り入れたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

よくあるご質問

Q: 中途覚醒はホルモン補充療法でないと治らないのでしょうか?

ホルモン補充療法(HRT)は更年期症状に対する有効な選択肢のひとつですが、すべての方に必要というわけではありません。生活習慣の改善で睡眠の質が向上する方も多くいらっしゃいます。まずはこの記事でご紹介したセルフケアを試してみて、それでも改善しない場合は婦人科医にご相談されることをおすすめします。

Q: 寝つきは良いのに夜中に目が覚めるのはなぜですか?

寝つきが良くても中途覚醒が起こるのは、睡眠の後半で深部体温がうまく維持できていない可能性があります。睡眠前半は疲労で眠れても、後半になると体温調節の乱れが影響しやすくなります。入浴のタイミングや就寝環境(室温 18〜22 度、湿度 40〜60%程度が目安)を見直してみてください。

Q: 更年期の中途覚醒はいつまで続きますか?

個人差が大きいですが、更年期の症状は 2〜5 年程度で落ち着く方が多いとされています。ただし、生活習慣を整えることで症状を軽減したり、期間を短くしたりすることは可能です。焦らず、できることから取り組むことが大切です。

Q: サプリメントは効果がありますか?

GABA、グリシン、テアニンなどのサプリメントは、睡眠の質をサポートする成分として知られています。ただし、効果には個人差があり、また根本的な体質改善にはならない場合もあります。サプリメントはあくまで補助的なものとして捉え、生活習慣の改善と併せて活用されることをおすすめします。

Q: 夜中に目が覚めたとき、どうすれば良いですか?

まずは、時計を見ないことが大切です。時間を確認すると「あと何時間しか眠れない」と焦りが生まれ、余計に眠れなくなります。目が覚めたら深呼吸を数回行い、リラックスするよう心がけてください。20 分以上眠れない場合は、一度ベッドを出て、薄暗い部屋で静かに過ごすのも良い方法です。

Q: 運動は朝と夕方、どちらが効果的ですか?

体温リズムを整える観点からは、夕方 16 時〜18 時頃の運動がおすすめです。ただし、朝の運動にも体内時計をリセットする効果があります。ライフスタイルに合わせて、続けやすい時間帯を選んでください。続けられることが何より大切です。

Q: カフェインは何時まで大丈夫ですか?

カフェインの半減期は 4〜6 時間程度で、就寝 6 時間前の摂取でも睡眠に影響するという研究があります。一般的には午後 2 時〜4 時頃までに留めるのが安心です。更年期はカフェインへの感受性が高まることもあるため、午後はカフェインレスの飲み物に切り替えることをおすすめします。

まとめ

更年期の中途覚醒は、エストロゲン低下による体温調節機能の乱れが大きな原因です。そして、その改善の鍵を握るのが「血流」です。

今日からできる対策として、

  • 就寝 90 分前のぬるめの入浴で深部体温の下降カーブをつくる
  • 手足のストレッチで末梢血流を促進し、放熱をスムーズに
  • 夕方の軽い運動で体温リズムにメリハリをつける

これらを無理のない範囲で続けてみてください。

睡眠の質の改善には時間がかかることもあります。1 週間試して変化がないからといって諦めず、まずは 1〜2 ヶ月を目安に続けてみることが大切です。

体の変化と上手に付き合いながら、質の良い眠りを取り戻していきましょう。セルフケアだけでは難しいと感じた時は、専門的なケアを取り入れることも選択肢のひとつです。あなたに合った方法を見つけるお手伝いができれば幸いです。