
夕方になると靴がきつくなる、朝起きると顔がパンパン、ふくらはぎを押すとしばらく跡が消えない…
更年期に入ってから、こんなむくみの悩みを抱える女性が本当に多いですね。
「塩分は控えめにしているはず」「薄味の食事を心がけている」そんな風に思っていても、なかなかむくみが改善されない場合、もしかすると「隠れ塩分」が原因かもしれません。
実は、私たちが知らずに摂っている塩分の約 7 割が、加工食品や外食から来ているという事実があります。今回は、そんな隠れ塩分の正体と、更年期女性が知っておきたい対策法について、わかりやすくお伝えします。
隠れ塩分って何?想像以上に摂取している現実
そもそも隠れ塩分とは
「隠れ塩分」とは、しょっぱくないのに塩分が多い食品のことです。
保存料や食感を良くするために使われる成分にも塩分(ナトリウム)が含まれているため、味では気づかないまま、知らず知らずのうちに塩分を摂りすぎてしまっているのです。
例えば:
- パンをふわふわにする成分
- ハムやソーセージを長持ちさせる保存料
- ドレッシングのとろみをつける成分
- うま味調味料
これらすべてに塩分が含まれています。
コンビニ食品の驚きの塩分量
ランチでよく買うコンビニ食品、実はこんなに塩分が入っています:
サラダ類(1 パック)
- ツナサラダ:塩分約 2g(おにぎり 1 個分)
- ポテトサラダ:塩分約 1.8g
- ドレッシングを全部使うと:プラス 1g
サンドイッチ(1 個)
- ハムサンド:塩分約 2.8g(味噌汁 2 杯分)
- ツナサンド:塩分約 2.5g
- 卵サンド:塩分約 2.2g
ランチでサラダとサンドイッチを食べると、それだけで 1 日の塩分目標量(女性 6.5g 未満)の約 7 割に達してしまうんです。「ヘルシーなランチ」のつもりが、実は塩分たっぷりだったなんて、驚きですよね。
外食の意外な落とし穴
「和食ならヘルシー」と思って選んでいませんか?実はそこに落とし穴が…
和食の塩分量
- 焼き魚定食:塩分約 4.5g(1 日の半分以上)
- ラーメン 1 杯:塩分約 6〜8g(1 日分オーバー)
- お味噌汁:塩分約 1.2g
洋食も要注意
- パスタランチ:塩分約 4g
- ハンバーグセット:塩分約 5g
「あっさりした和食」でも、醤油や味噌、漬物で塩分がたっぷり。むしろ洋食より多いこともあるんです。
家庭でも油断できない調味料の塩分
「ちょっとだけ」のつもりが、実は塩分の落とし穴に:
調味料の塩分(大さじ 1 杯)
- ポン酢:塩分約 1g(意外と多い)
- ソース:塩分約 0.7g
- ケチャップ:塩分約 0.5g
- マヨネーズ:塩分約 0.2g
お弁当の定番も
- ハム 2 枚:塩分約 1.3g
- かまぼこ 2 切れ:塩分約 1g
- ちくわ 1 本:塩分約 0.7g
朝食のトーストにケチャップ、お弁当にハム、夕食にポン酢…。1 日で考えると、調味料だけで塩分 3g を超えることも。
更年期にむくみやすくなる理由
女性ホルモンが減ると何が起こる?
更年期になると、女性ホルモン(エストロゲン)が減少し、体の中でこんな変化が起きます:
1. 体が塩分を溜め込みやすくなる
- エストロゲンが減ると、腎臓での塩分排出がうまくいかなくなる
- 塩分が体に溜まると、水分も一緒に溜まる
- その結果、むくみが発生
2. 水分が抜けにくくなる
- ホルモンバランスが乱れて、体が水分を正常に排出できない
- 血管から水分が染み出しやすくなる
- 特に足や手に水分が溜まりやすい
3. 代謝が悪くなる
- ホルモンの影響で代謝が低下
- リンパ液の流れが悪くなる
- 老廃物が排出されにくくなる
つまり、更年期のむくみは「水分の摂りすぎ」ではなく、ホルモンの変化が根本原因なんです。
自分でできるむくみチェック
むくみの程度を簡単にチェックする方法があります。
「押してチェック」のやり方
- すねや足首を指で 10 秒間、しっかり押す
- 指を離して、凹みの戻り方を確認
むくみの目安
- 「大丈夫」→ 凹みが 10 秒以内に戻る
- 「軽いむくみ」→ 15 秒くらいで戻る
- 「中程度のむくみ」→ 30 秒くらいかかる
- 「ひどいむくみ」→ 1 分以上戻らない
※40 秒以上戻らない場合は、念のため医療機関に相談しましょう。
むくみと一緒に現れる更年期症状
むくみだけでなく、こんな症状も一緒に出ていませんか?
- ホットフラッシュ:汗をかくことでミネラルバランスが乱れ、むくみが悪化
- 睡眠不足:代謝が落ちて、さらにむくみやすくなる
- 疲れやすさ:血流が悪くなって、疲労物質が溜まる
これらの症状はお互いに影響し合うので、ひとつでも改善すると他も良くなることが多いですよ。
今すぐできる実践的な対策法
コンビニでの賢い選び方(簡単な塩分計算法付き)
覚えやすい簡易計算法
ナトリウム400mg ≒ 塩分1g
この目安を覚えておけば、暗算で大体の塩分量がわかります!
計算例
- ナトリウム 800mg → 約 2g
塩分が少ないおすすめ商品
- 蒸し鶏サラダ(ドレッシング別添え)
- おにぎり(梅や昆布がベター)
- ゆで卵
- 無塩ナッツ類
- カットフルーツ
選ぶときのコツ
- 栄養成分表示を必ずチェック
- 1 食あたり塩分 2.5g 以下を目安に
- ドレッシングは半分だけ使用
- パンよりおにぎりを選ぶ
外食時の賢い工夫
外食では完全に塩分をコントロールするのは難しいですが、以下の方法で減らせます:
注文時のコツ
- 「ドレッシング別添えで」
- 「薄味でお願いします」
- 「ソースは少なめで」
食べ方の工夫
- 汁物の汁は 1/3 程度にとどめる
- 麺類の汁は飲み干さない
- 付け合わせの漬物は避ける
- 味付けの濃い部分は残す勇気を持つ
「もったいない」と感じるかもしれませんが、むくみ解消のための自分への投資と考えてみてください。
自宅でできる簡単減塩テクニック
調理の工夫
- 出汁を濃くして塩分を減らす
- 酸味(レモン、酢)で味にメリハリを
- 香味野菜(ねぎ、生姜、にんにく)を活用
- スパイスやハーブで風味をプラス
カリウムを意識した食材選び カリウムは塩分の排出を助けてくれます。
- バナナ、アボカド
- ほうれん草、小松菜
- じゃがいも、さつまいも
- 海藻類
目安として、1 日に野菜 350g、果物 200g を摂取できれば理想的です。
デスクワークの方のむくみ対策
1 時間ごとの習慣
- タイマーをセットして、1 時間ごとに立つ
- デスク下で足首を回す(20 回)
- トイレに行くときは階段を使う
- コピーを取りに行くときは遠回りする
簡単な工夫
- 足元に台を置いて足を乗せる
- 座ったままつま先を上げ下げ
- ランチタイムは 10 分歩く
立ち仕事の方のむくみ対策
仕事中にできること
- 30 分ごとに重心を変える
- 休憩時は必ず座って足を伸ばす
- つま先立ち運動を 1 時間に 10 回
帰宅後のケア
- 足を高くして 15 分休憩
- ぬるめのお風呂でじっくり温まる
- 寝る前に軽くマッサージ
生活習慣で更年期むくみを改善
効果的な運動法
運動は血液循環を改善し、塩分の排出を促進します。激しい運動は必要ありません。
おすすめの運動
- ウォーキング(1 日 20〜30 分)
- 水中ウォーキング(関節に優しい)
- ヨガやストレッチ(血流改善)
- ラジオ体操(全身運動)
週 3〜4 回、無理のない範囲で継続することが大切です。
睡眠とむくみの関係
質の良い睡眠は、ホルモンバランスを整え、体内の水分調整機能を正常化します。
睡眠の質を向上させるコツ
- 就寝 3 時間前までに夕食を終える
- 寝る前の塩分摂取は控える
- 足を少し高くして就寝
- 規則正しい睡眠リズムを心がける
お住まいの地域の気候に合わせて、適切な室温管理を行いましょう。
2 週間改善プログラム
第 1 週目:意識づけ期間
月〜水曜日
- 食品の塩分量をチェックする習慣をつける
- 1 日の塩分摂取量を記録(目安:6.5g 未満)
木〜日曜日
- 塩分の多い食品を 1 つずつ減らす
- カリウムを含む食品を 1 品追加
第 2 週目:実践期間
月〜水曜日
- コンビニ・外食での実践
- 調味料の使用量を半分に
木〜日曜日
- 運動を組み合わせる
- セルフチェックで変化を確認
2 週間で確認!改善のサイン
毎日チェックしたいこと
- 体重(朝起きてすぐ)
- むくみチェック(すねを押して確認)
- 指輪のきつさ
- 靴の履き心地
2 週間でこんな変化があれば成功!
- ふくらはぎが 1cm 以上細くなる
- むくみの跡が早く消えるようになる
- 体重が 0.5〜1kg 減る
- 「身体が軽くなった」と感じる
2 つ以上当てはまれば、プログラムが効いている証拠です。
まとめ
更年期のむくみは、女性ホルモンの変化が根本原因です。だからこそ、「隠れ塩分」を意識した食事と、適度な運動、質の良い睡眠が大切なんです。
今日からできる 5 つのこと
- コンビニ食品の塩分をチェックする(ナトリウム 400mg≒ 塩分 1g の目安で)
- ドレッシング・調味料を半分に
- 1 時間ごとに立って動く
- 寝るとき足を少し高くする
- 毎日バナナや野菜を食べる
こんな症状がある場合はすぐに病院へ
- むくみの跡が 40 秒以上消えない
- 急にむくみがひどくなった
- 息苦しい、胸が痛い
- 左右でむくみ方が違う
更年期は人生の新しいステージ。少しずつ生活を変えていくことで、きっと楽になりますよ。
よくある質問(Q&A)
Q: 更年期のむくみと普通のむくみの違いは何ですか?
更年期のむくみは、エストロゲン(女性ホルモン)の減少により、腎臓での塩分排出がうまくいかなくなることが特徴です。通常のむくみと異なり、ホルモンバランスの変化が根本原因のため、塩分制限だけでは改善しにくく、運動や睡眠改善など総合的なアプローチが必要になります。
Q: 塩分を控えているのにむくみが改善しないのはなぜですか?
摂取する塩分の約 70%が加工食品や外食から来ている「隠れ塩分」が原因の可能性があります。コンビニのサラダやサンドイッチ、外食の和食など、一見ヘルシーに見える食品にも多くの塩分が含まれています。保存料として使われるナトリウムは味では感じにくいため、知らずに摂取していることが多いのです。
Q: コンビニ食品を選ぶ際の簡単な塩分チェック方法は?
「ナトリウム 400mg≒ 塩分 1g」という簡易計算を覚えておくと便利です。例えば、ナトリウム 800mg なら約 2g の塩分量。1 食あたり 2.5g 以下を目安に選びましょう。サラダとサンドイッチの組み合わせで約 4.5g になることもあるため、ドレッシングは半分だけ使用するなどの工夫が必要です。
Q: むくみのセルフチェック方法を教えてください
すねや足首を指で 10 秒間押し、手を離して凹みの戻り時間を測定します。正常なら 10 秒以内に戻りますが、40 秒以上凹みが残る場合は、医療機関での相談をお勧めします。毎朝起床直後に測定すると、変化を把握しやすくなります。
Q: 立ち仕事でむくみやすいのですが、効果的な対策は?
1 時間ごとに「つま先立ち運動」を 10 回行うだけでも、ふくらはぎの筋肉が動いて血流が改善されます。また、30 分ごとに重心を変える、休憩時は必ず座って足を伸ばす、帰宅後 15 分間足を高くして休憩するなども効果的です。
Q: 外食時の減塩のコツを教えてください
注文時に「ドレッシング別添え」「薄味で」「ソース少なめ」とリクエストしましょう。食べ方では、汁物の汁は 1/3 程度にとどめ、麺類の汁は飲み干さない、付け合わせの漬物は避けるなどの工夫が有効です。和食でも醤油や味噌などで塩分が多いため、あっさりした印象に惑わされないよう注意が必要です。
Q: カリウムを摂取するとむくみに効果がありますか?
はい、カリウムは体内の余分なナトリウムの排出を促進します。バナナ、アボカド、ほうれん草、小松菜、じゃがいも、海藻類などが豊富な供給源です。1 日に野菜 350g、果物 200g を目安に摂取すると効果的です。ただし、腎臓の機能に不安がある方は医師に相談してください。
Q: 運動はどのくらいすれば効果がありますか?
週 3〜4 回、1 日 20〜30 分のウォーキングでも十分効果があります。大切なのは継続すること。水中ウォーキングは関節への負担が少なく、更年期女性に特におすすめです。激しい運動は必要ありません。
Q: 2 週間改善プログラムの効果判定基準は?
ふくらはぎが 1cm 以上細くなる、むくみの跡が早く消えるようになる、体重が 0.5〜1kg 減る、「身体が軽くなった」と感じる、のうち 2 項目以上で改善が認められれば、プログラムが効いている証拠です。毎朝起床直後に測定すると変化を把握しやすくなります。
Q: 医療機関を受診すべきタイミングは?
むくみの跡が 40 秒以上消えない場合、急激なむくみの悪化、呼吸困難、胸痛を伴う場合は速やかに受診してください。また、2 週間の改善プログラムを実施しても全く改善が見られない場合や、むくみが左右非対称の場合も医療機関での診察をお勧めします。