「午後になると頭が働かない」「最近やる気が出ない」——その原因、実はタンパク質不足かもしれません。
炭水化物は摂っているのに疲れが取れない、朝起きるのがつらい、夕方には何もしたくなくなる。こうした症状の背景には、タンパク質の摂取不足が隠れていることがあります。厚生労働省の推奨量では成人女性は 1 日 50g のタンパク質摂取が目安とされていますが、忙しい日々の中でこの量を満たせていない方は少なくありません。
この記事では、タンパク質がやる気や集中力に与える影響を、栄養学のエビデンスをもとに解説します。「何を」「いつ」「どれくらい」食べればいいのか、今日から実践できる具体的な方法をお伝えします。
やる気が出ない原因はセロトニン不足?タンパク質との関係
「やる気が出ない」「集中できない」という状態の背景には、脳内の神経伝達物質「セロトニン」の不足が関わっていることがあります。
セロトニンは、気分の安定や意欲の維持に欠かせない物質です。不足すると、以下のような症状が現れやすくなります:
- 朝起きられない
- 午後の集中力が続かない
- イライラしやすい
- 不安感が強くなる
- 夜眠れない
このセロトニンを作るためには、**タンパク質に含まれる必須アミノ酸「トリプトファン」**が必要です。トリプトファンは体内で合成できないため、食事から摂取するしかありません。
つまり、タンパク質が不足すると、セロトニンが十分に作られず、「やる気が出ない」状態に陥りやすいのです。
あなたに必要なタンパク質量は?体重別の目安
「1 日 50g」と聞いても、ピンとこないかもしれません。まずは、あなたの体重に合わせた目安を確認しましょう。
【体重別】1 日に必要なタンパク質量
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」では、成人女性の推奨量は 50g/日とされていますが、活動量に応じて調整が必要です。
| 体重 | 基本量(1.0g/kg) | 推奨量(1.2g/kg) |
|---|---|---|
| 50kg | 50g | 60g |
| 55kg | 55g | 66g |
| 60kg | 60g | 72g |
基本量: 座り仕事中心の場合 推奨量: デスクワークでも軽い運動習慣がある場合
いつ食べる?タンパク質摂取のベストタイミング
タンパク質は「何を食べるか」だけでなく、 「いつ食べるか」 も重要です。
朝食でのタンパク質摂取が最も効果的
セロトニンは朝から日中にかけて活発に分泌されます。そのため、朝食でトリプトファン(タンパク質)を摂ることで、日中のやる気や集中力が持続しやすくなります。
朝食でタンパク質を摂るメリット
- 午前中の集中力が高まる
- 昼食後の眠気を軽減
- 1 日の代謝が上がる
- 筋肉の分解を防ぐ
1 食あたり 20〜25g を目安に
タンパク質は 1 食で 40〜50g でも消化・吸収されますが、筋肉の合成を効率的に促すには 1 食 20〜25g 程度が最適とされています。これ以上摂取しても筋合成効果は頭打ちになるため、朝・昼・夕の 3 食で均等に分けて摂るのが理想的です。
1 日 60g の配分例
- 朝食:20g
- 昼食:20g
- 夕食:20g
この配分なら、無理なく続けられます。
何を食べる?タンパク質を効率よく摂れる食材と組み合わせ
「タンパク質を増やしたいけど、何を食べればいいの?」という疑問にお答えします。
タンパク質含有量の高い食材一覧
| 食材 | 1 食分の目安 | タンパク質量 |
|---|---|---|
| 鶏むね肉(皮なし) | 100g | 23g |
| サケ(切り身) | 1 切れ(80g) | 18g |
| 卵 | 1 個(50g) | 6g |
| 納豆 | 1 パック(45g) | 7g |
| 木綿豆腐 | 1/2 丁(150g) | 10g |
| ギリシャヨーグルト | 1 カップ(100g) | 10g |
| ツナ缶(水煮) | 1 缶(70g) | 12g |
トリプトファンが豊富な食材
セロトニン生成のためには、特にトリプトファンが豊富な食材を選びましょう:
- 鶏肉(特にむね肉)
- サケ・マグロなどの魚
- 大豆製品(納豆・豆腐)
- 乳製品(チーズ・ヨーグルト)
- 卵
- バナナ(トリプトファン+ビタミン B6 で吸収率アップ)
セロトニン生成を助ける組み合わせ
タンパク質だけでなく、以下の栄養素も一緒に摂ると、セロトニンの合成がスムーズになります:
ビタミン B6(タンパク質の代謝を助ける)
- 鶏肉、サケ、バナナ、玄米
炭水化物(トリプトファンの脳内取り込みを促進)
- ご飯、パン、バナナ、さつまいも
おすすめの組み合わせ例
- 鶏むね肉のソテー + 玄米ご飯
- サケの塩焼き + 納豆 + ご飯
- ゆで卵 + バナナ + ヨーグルト
【時短】5 分以内でできる朝のタンパク質メニュー
「朝は時間がない」という方のために、5 分以内で準備できる高タンパク朝食をご紹介します。
パターン 1:プロテインドリンク+バナナ
- プロテインパウダー(20g)
- バナナ 1 本
- 牛乳または豆乳 200ml
- 合計タンパク質:約 25g
- 準備時間:2 分
パターン 2:ギリシャヨーグルト+ナッツ
- ギリシャヨーグルト 1 カップ(10g)
- ミックスナッツ(20g)
- はちみつ小さじ 1
- 合計タンパク質:約 14g
- 準備時間:1 分
パターン 3:卵かけご飯+納豆
- ご飯 1 膳(150g)
- 卵 1 個(6g)
- 納豆 1 パック(7g)
- 海苔・ねぎ
- 合計タンパク質:約 13g
- 準備時間:3 分
パターン 4:トースト+チーズ+ハム
- 全粒粉パン 2 枚(8g)
- スライスチーズ 2 枚(10g)
- ハム 2 枚(4g)
- レタス・トマト
- 合計タンパク質:約 22g
- 準備時間:5 分
外食・コンビニでも大丈夫!手軽なタンパク質補給術
「自炊する時間がない」という方も、外食やコンビニで十分にタンパク質を摂れます。
コンビニで買える高タンパク食品
朝食におすすめ
- サラダチキン(1 個:約 25g)
- ゆで卵(2 個:12g)
- ギリシャヨーグルト(1 個:10g)
- プロテインバー(1 本:15〜20g)
昼食の組み合わせ例
- サラダチキン(25g)
- ゆで卵(6g)
- おにぎり 1 個
- 合計タンパク質:約 31g
夕食の組み合わせ例
- 焼き鳥(塩)5 本(20g)
- サラダ(豆腐トッピング:5g)
- おにぎり 1 個
- 合計タンパク質:約 25g
定食屋・外食チェーンの選び方
おすすめメニュー
- 焼き魚定食(サケ or サバ):約 20〜25g
- 鶏の照り焼き定食:約 30g
- 生姜焼き定食:約 25g
- 豆腐ハンバーグ定食:約 20g
避けたいメニュー
- パスタ単品(タンパク質 8g 程度)
- うどん・そば単品(タンパク質 10g 程度)
- カレーライス単品(タンパク質 12g 程度)
※単品ではなく、サイドメニューで卵や豆腐を追加すると良い
外食時のプラスワンテクニック
- うどん・そばに温泉卵をトッピング(+6g)
- ラーメンに煮卵追加(+6g)
- サラダに蒸し鶏をトッピング(+15g)
- カレーにチーズ追加(+5g)
タンパク質不足のサイン|当てはまったら要注意
以下の症状が複数当てはまる場合、タンパク質不足の可能性があります。
身体的なサイン
- 朝起きるのがつらい
- 午後になると集中力が切れる
- 疲れやすい、回復が遅い
- 筋肉量が減ってきた
- 爪が割れやすい、髪が細くなった
精神的なサイン
- やる気が出ない
- イライラしやすい
- 不安感が強い
- 寝つきが悪い、眠りが浅い
食事習慣のチェック
- 朝食は炭水化物だけ(パン、おにぎりなど)
- 昼食は麺類やパスタが多い
- 夕食で肉や魚を食べない日がある
- 1 日の食事を振り返ると、タンパク質が少ない
当てはまる項目が多いほど、タンパク質不足の可能性が高いと言えます。
タンパク質不足になりやすい食事パターン例
以下のような食事では、1 日のタンパク質摂取量が 30g 程度にとどまり、推奨量の半分程度しか摂れていない可能性があります。
- 朝食:トースト 1 枚(約 3g)
- 昼食:パスタやうどん(約 8g)
- 夕食:生姜焼き定食など(約 20g)
- 合計:約 31g
特に朝食・昼食でタンパク質が少ないと、午後のやる気低下や集中力の途切れにつながりやすくなります。
まとめ|今日から始めるタンパク質習慣
タンパク質不足は、やる気や集中力の低下に直結します。特に、朝食でのタンパク質摂取が、1 日のパフォーマンスを左右します。
今日から実践できる 3 つのポイント
-
朝食でタンパク質 20g を目標に
- ゆで卵 2 個 + ヨーグルト
- サラダチキン + おにぎり
- 納豆 + 卵かけご飯
-
1 日 60g(体重 1kg×1.0〜1.2g)を目指す
- 朝・昼・夕で均等に配分
- コンビニや外食も活用
-
トリプトファン豊富な食材を選ぶ
- 鶏肉、サケ、卵、納豆、バナナ
- ビタミン B6 や炭水化物と一緒に
「やる気が出ない」と感じたら、まずは朝食を見直してみてください。タンパク質を意識するだけで、午後の集中力や夜の睡眠の質が変わってきます。
セロトニンを増やし、心も体も元気になる食事習慣を、今日から始めてみませんか?
よくある質問(FAQ)
Q1. タンパク質は 1 日何 g 必要ですか?
成人女性の場合、厚生労働省の推奨量は 50g/日です。ただし、活動量に応じて調整が必要です。目安は「体重 1kg×1.0〜1.2g」。例えば体重 55kg の方なら、55〜66g が理想的です。
デスクワーク中心の場合は下限値、軽い運動習慣がある場合は上限値を目標にすると良いでしょう。
Q2. 朝食でタンパク質を摂る理由は?
セロトニンは朝から日中にかけて活発に分泌されるため、朝食でトリプトファン(タンパク質)を摂ることで、日中のやる気や集中力が持続しやすくなります。
朝食抜きや炭水化物だけの朝食では、午前中から集中力が続かない原因になります。
Q3. コンビニでタンパク質を摂るなら何がおすすめ?
以下の組み合わせがおすすめです:
- 朝食: ギリシャヨーグルト + ゆで卵 + バナナ(約 18g)
- 昼食: サラダチキン + ゆで卵 + おにぎり(約 31g)
- 夕食: 焼き鳥 5 本 + 豆腐サラダ(約 25g)
これなら 1 日で 70g 以上のタンパク質を無理なく摂取できます。
Q4. プロテインパウダーは必要ですか?
必須ではありませんが、時短や補助として活用できます。
こんな時に便利:
- 朝食の時間がない
- 外食が続いて食事バランスが偏った
- 運動後の栄養補給
ただし、基本は食事からの摂取を心がけ、プロテインはあくまで補助として考えましょう。
Q5. タンパク質を摂りすぎると太りますか?
適量であれば太りません。むしろ、タンパク質は代謝を上げ、筋肉量を維持する効果があります。
ただし、極端に摂りすぎる(体重 1kg×2.0g を超える)と、腎臓に負担がかかる可能性があります。推奨量(体重 1kg×1.0〜1.2g)を目安にしましょう。
Q6. 効果が出るまでどれくらいかかりますか?
個人差がありますが、多くの方が2 週間〜1 ヶ月で変化を実感されます。
早く実感できる変化(1 週間〜2 週間):
- 午後の集中力の持続
- 朝の目覚めの改善
時間がかかる変化(1 ヶ月〜):
- 体力・筋肉量の増加
- 肌や髪の質感の変化
継続することで、より大きな効果を実感できます。