10月の朝に起きられないのはなぜ?名古屋で変わるのは晴れの時間ではなく日の出の時刻

10月の朝に起きられないのはなぜ?名古屋で変わるのは晴れの時間ではなく日の出の時刻

目覚ましは9月と同じ6時に鳴る。カーテンの向こうは晴れているのに、体が布団から離れない。ようやく起き上がっても、頭がぼんやりしたまま身支度や子どもの準備を済ませ、家を出る。「夏の疲れが今ごろ出た?」「更年期にはまだ早いはず」「気合いが足りないだけ?」と、朝が来るたびに自分を責めてしまう。

10月に入ってからのこの重さは、気合いとは別のところから来ていることがあります。起きる時刻は先月と同じでも、外の明るさのほうが毎週ずれていくからです。

この記事でお伝えするのは、起きる時刻と日の出の時刻を並べて、朝の光を浴びるタイミングを決め直す方法です。

名古屋の10月:晴れの時間は9月より長い

秋の朝がつらい理由として、よく「日照時間が減るから」と説明されます。日照時間は、晴れて日が差していた時間のこと。この記事では「晴れの時間」と呼びます。日の出から日の入りまでの「昼の長さ」とは、別の数字です。

名古屋の平年の値では、晴れの時間は8月の約200時間から、雨の多い9月に約160時間まで減ります。10月は約170時間と、むしろ増えます。11月と12月も、ほぼ同じ水準です。

9月より晴れているのに、つらくなるのは10月から。晴れの時間だけでは説明しきれません。

今年は、その差がさらにはっきり出ています。2026年9月の名古屋は、晴れの時間が平年の約半分で、観測を始めてからの9月で2番目に少ない記録でした。10月は一転して、晴れの日が続いています。

去年は逆の並びでした。2025年は9月が明るく、10月は晴れの時間が平年の約6割にとどまりました。今年の10月は、ここまでのところ去年より明るい10月です。

「晴れているのにつらい」なら、疑うのは空の明るさではなく、光を浴びるタイミングのほうです。

変わっているのは日の出:同じ時刻に起きても、外の明るさは毎週違う

10月の1か月で、昼は約1時間短くなる

国立天文台の暦によると、名古屋の日の出は10月1日が5時47分、10月31日が6時12分。この1か月で25分遅くなる計算です。

日の入りも早まるため、昼の長さはひと月で約1時間短くなります。夏至のころと比べると、10月末の日の出は約1時間半遅くなっています。

たとえば、毎朝6時に起きる人の場合。暦では10月17日に日の出が6時ちょうどになり、それ以降は、起きる時刻が日の出より前になっていきます。日の出の少し前から外は「市民薄明」と呼ばれる薄明るい時間に入りますが、日はまだ低い位置にあります。

体内時計は、朝の強い光でリセットされる

厚生労働省の睡眠ガイドには、起きてから朝日の強い光を浴びると体内時計がリセットされ、眠りと目覚めのリズムが整い、脳が目覚めていくと書かれています。日中に光をたくさん浴びておくと、夜に眠気を誘うホルモン(メラトニン)が増え、寝つきもよくなります。

約1,800人の睡眠を3年間記録した日本の調査(参加者は男性が中心)でも、目が覚める時刻は冬にいちばん遅くなり、日の出の時刻とよくそろって動いていました。この差は休日に大きく、目覚ましで起きる平日には小さく出ています。同じ調査では、日の出の時刻が同じでも春と秋で起きる時刻が違い、気温の差も関わっていると見られています。

平日は、日の出が遅くなっても目覚ましの時刻は変わりません。起きてから家を出るまでに強い光を浴びる場面が減るぶん、リセットの合図が弱くなる朝が増えると考えられます。睡眠時間や体調も重なるので日の出だけで原因は決められませんが、光は自分で動かせる手がかりです。

明日の朝から:光と朝食で体内時計に合図を送る

起きる時刻と日の出の時刻を並べる

日の出の時刻は、お住まいの地域によって違います。国立天文台の暦計算室では各地の日の出と日の入りの時刻が調べられるので、ご自分の地域の時刻で並べてみてください。

並べたら、日の出より前に起きている朝が1週間に何日あるかを数えておきます。

起きたらカーテンを開け、午前中のうちに外の光を浴びる

睡眠ガイドが勧めているのは、朝目覚めたら部屋に朝日を取り入れ、日中はできるだけ日光を浴びることです。起きたら、まずカーテンを開けます。日の出前に起きる日は、外が明るくなってきたころに、もう一度窓のそばに立ちます。

そのうえで、外の光を浴びる場面をつくります。できれば起きてから早いうちに、難しければ通勤や送りの時間に。駅まで日の当たる側の道を歩く、昼休みに建物の外へ出る、でもかまいません。

オフィスで働く人の光を1週間測った調査では、朝に多くの光を浴びていた人ほど、夜の寝つきが早く、眠りの質も高いという結果でした。寝つきの差は、冬に特に目立っています。

子どもの支度で外に出る余裕がない朝は、家の中の動きを窓辺に寄せます。カーテンを開けた窓に近い席で朝食をとる、子どもの着替えや髪を結ぶのを窓のそばで済ませる。保育園や学校への送りやゴミ出しで外に出る数分も、そのまま外の光を浴びる時間になります。

朝食を抜かない

睡眠ガイドには、朝食も朝の光と同じく体内時計の調整に役立つと書かれています。1週間ほど朝食を抜く生活を続けると、体内時計が遅寝・遅起きのほうへずれるという報告もあります。

食欲がない朝は、口に入れるものを一つだけ決めておくと迷わずに済みます。朝食を抜いたときの体への影響は、朝食を抜くと仕事の集中力が落ちる理由でまとめています。

夜の強い光を減らす

体は寝る約2時間前から、眠気を誘うメラトニンを出し始めます。そのあとに明るい照明やスマホの強い光を浴びると、リズムが遅れて寝つきにくくなります。

寝る2時間前から、部屋の照明を一段落とす。スマホの光と眠りの関係はデスクワークの眼精疲労が引き起こすスマホ不眠、朝の過ごし方全体は忙しい朝でも続く健康習慣も参考にしてください。

強い光の器具を使う前に

目の病気がある人、日光に敏感になる薬を飲んでいる人は、別の方法か医師の管理のもとでの使用が必要なことがあります(NIMH)。双極性障害のある人は気分が上がりすぎることがあり、医師の経過観察がすすめられています(国際双極性障害学会の提言)。これらに当てはまる人は、光目覚ましやライトを使う前に医師に相談してください。それ以外の人も、まずは窓とカーテン、外の光から始められます。

別の原因と見分ける:天気・月経周期・季節、どれと一緒に動くか

朝のつらさには、光のずれ以外の原因が重なっていることもあります。見分ける手がかりは、「何と一緒に動くか」です。表だけで原因は決められませんが、受診時に伝える材料になります。

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秋冬になると気分が沈み、春になると戻る。こうした季節の波を感じる人は多く、NIMHでは「ウィンターブルー」という言い方も紹介されています。冬に疲れやすい、よく眠るといった変化は多くの人に見られ、病気として扱われるのは、生活に支障をきたすほどになった場合です(英国王立精神科医学会)。

名古屋の公務員約1,300人に季節の気分の変化をたずねた調査でも、冬に病気といえるほど落ち込む人は1%に満たず、日本では欧米より少ないという結論でした。30年ほど前の調査なので、自分の場合に迷うときは次の節の目安で確かめてください。

波が大きく出る人には、眠りすぎる、食べすぎる、甘いものや白いパンなど炭水化物の多いものが欲しくなる、といった特徴があり、女性に多いとされています(英国王立精神科医学会)。

起きられなかった朝に手帳やスマホのメモで印をつけ、天気・月経・日の出の時刻と並べてみると、どの線に近いかが見えてきます。

医療機関に相談する目安:2週間続くか、生活に支障が出ているか

次のような状態が2週間以上、ほとんど毎日続き、仕事や家事に支障が出ているなら、心療内科・精神科、またはかかりつけ医に相談してください。

  • 気分の落ち込みが続く
  • 意欲がわかず、やるべきことに手がつかない
  • 眠りすぎる、食べすぎる
  • 朝起きるのがとてもつらく、日中も眠気が続く

こうした秋のつらさが初めての年は特に、季節の揺れか、それ以上かを自分で見分けるのは難しいものです。医療機関には、薬や強い光を使う方法など、季節の波に合わせた方法があります(こころの耳)。受診するときは、印をつけた手帳やスマホのメモをそのまま見せてください。

寒がり・まぶたのむくみ・立ちくらみがあるときは、内科で血液検査を受けると、甲状腺や鉄の状態を確かめられます。

「消えてしまいたい」と感じるときは、受診を待たずに、こころの耳の相談窓口や厚生労働省の電話相談へ連絡してください。今すぐ自分を傷つけてしまいそうなときは、一人にならず、身近な人に伝えるか119番で助けを求めてください。

まとめ:見直すのは空の明るさではなく、光を浴びる時刻

  1. 名古屋の10月は、晴れの時間が9月より増える一方で、日の出が遅くなる
  2. 起きる時刻と日の出の時刻を並べる。カーテンを開け、午前中のうちに外の光を浴び、朝食を抜かずに体内時計へ合図を送る
  3. 2週間以上続いて生活に支障が出ていたら相談する。迷う段階での相談で構いません

朝のつらさの出方や光への反応には個人差があり、日の出の時刻も地域で違います。ご自分の地域の時刻で、できることから始めてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 秋になると朝起きられなくなるのは、気合いが足りないからですか?

A. 気合いとは別の理由が考えられます。体内時計は朝の強い光でリセットされますが、10月は日の出が毎週遅くなり、起きる時刻が同じでも外の明るさが変わっていきます。起きた時点で日がまだ低い朝が増えると、体に「朝が来た」という合図が届きにくくなります。まずは起床時刻と日の出の時刻を並べて、ずれを確かめてみてください。

Q2. 晴れの日が続いているのに、朝がつらいのはなぜですか?

A. 名古屋の平年の値では、10月の晴れの時間は9月より長く、9月から12月にかけて減っていくのは晴れの時間ではなく昼の長さです。日の出は10月の1か月で25分ほど遅くなります(暦の時刻から計算)。空が晴れていても、起きる時刻にまだ日が昇っていなければ、朝の光の合図は弱くなります。見直すのは、光を浴びるタイミングのほうです。

Q3. 自分の住んでいる地域の日の出時刻は、どこで調べられますか?

A. 国立天文台の暦計算室で、各地の日の出と日の入りの時刻を調べられます。日の出の時刻は地域によって違うので、名古屋の数字はあくまで一つの例として、ご自分の地域の時刻で起床時刻と並べてください。日本海側などは冬に晴れの時間そのものが大きく減るため、名古屋とは事情が異なります。

Q4. 朝、外に出る時間がとれない日はどうすればいいですか?

A. 起きたらまずカーテンを開け、部屋に朝日を取り入れてください。日の出前に起きる日は、外が明るくなってきたころにもう一度窓のそばに立ちます。子どもの支度で手が離せない朝は、朝食を窓に近い席でとる、着替えを窓のそばで済ませるなど、家の中の動きを窓辺に寄せます。保育園や学校への送り、駅までの道、昼休みなど、すでにある外の時間を明るい側へ寄せていくと続けやすくなります。

Q5. 朝ごはんを食べる気になれません。抜いても大丈夫ですか?

A. できれば抜かずに、何か口に入れてください。厚生労働省の睡眠ガイドには、朝食も朝の光と同じように体内時計の調整に役立ち、1週間ほど朝食を抜くと体内時計が遅寝・遅起きのほうへずれるという報告があると書かれています。食欲がない朝は、口に入れるものを一つだけ決めておくと迷わずに済みます。

Q6. 光目覚ましや光療法のライトは使ったほうがいいですか?

A. 目の病気がある人、日光に敏感になる薬を飲んでいる人、双極性障害のある人は、使う前に医師に相談してください。別の方法が必要だったり、強い光で気分が上がりすぎたりすることがあります。それ以外の人も、まずは起きたらカーテンを開け、外の光を浴びるところから始められます。つらさが2週間以上続くなら、器具より先に受診を考えてください。

Q7. 季節性のうつかどうか、自分で判断できますか?

A. 自分で判断するのは難しいので、迷ったら相談してください。秋冬に気分が沈んで春に戻る季節の波を感じる人は多く、病気として扱われるのは、日常生活に支障をきたすほどになった場合です。ただ、こうした秋のつらさが初めての年は、見分けがつきにくいものです。落ち込みや意欲の低下、眠りすぎ・食べすぎ、朝の起きづらさと日中の眠気が2週間以上ほとんど毎日続き、仕事や家事に支障が出ているなら、受診を考えてください。

Q8. 相談するなら、何科に行けばいいですか?

A. 気分の落ち込みや意欲の低下、眠りすぎ・食べすぎが続いているなら、心療内科・精神科、またはかかりつけ医に相談してください。寒がり・まぶたのむくみ・立ちくらみがあるときは、内科の血液検査で甲状腺や鉄の状態を確かめられます。「消えてしまいたい」と感じるときは、受診を待たずにこころの耳や厚生労働省の電話相談などの相談窓口へ連絡してください。今すぐ自分を傷つけてしまいそうなときは、一人にならず、身近な人に伝えるか119番で助けを求めてください。