
「最近、疲れが取れない」「肌のハリがなくなってきた」「ちょっと動いただけで筋肉痛になる」
そんな体の変化を感じている方は少なくありません。実は、これらの症状の原因の一つに「タンパク質不足」があるかもしれません。
年齢を重ねると、若い頃と同じ食生活では十分なタンパク質が摂取できていない可能性があります。今回は、タンパク質不足が引き起こす症状と、効果的な改善方法について詳しくご紹介します。
タンパク質不足で起こる 7 つのサイン
1. 筋肉量の減少とたるみ
タンパク質は筋肉の材料です。不足すると筋肉量が減少し、お腹周りや二の腕のたるみが気になるようになります。基礎代謝も下がるため、太りやすく痩せにくい体質になってしまいます。
2. 慢性的な疲労感
「しっかり寝ているのに疲れが取れない」という症状は、タンパク質不足のサインかもしれません。体内でエネルギーを作り出すのにもタンパク質が必要なんです。
3. 肌・髪・爪のトラブル
肌のハリや弾力を保つコラーゲンもタンパク質からできています。不足すると肌がカサカサになったり、髪の毛にコシがなくなったり、爪が割れやすくなったりします。
4. むくみやすい体質に
血管内のタンパク質濃度が低下すると、水分調整がうまくいかずにむくみやすくなります。夕方になると足がパンパンという方は要注意です。
5. 免疫力の低下
風邪を引きやすくなった、治りが遅いと感じる場合も、タンパク質不足が関係している可能性があります。免疫細胞の材料もタンパク質なんです。
6. 集中力・やる気の低下
セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質もタンパク質から作られます。不足すると集中力が続かない、イライラしやすいなどの症状が現れることがあります。
7. 肩こり・冷え性の悪化
筋肉量が減ると血流も悪くなり、肩こりや冷え性が悪化することがあります。
【体験談】A さん(40 歳・金融機関管理職)の場合
症状・きっかけ
管理職になってから責任が重く、子どもの学校行事と仕事の両立でストレスが溜まる日々。忙しさで食事がおろそかになり、朝はコーヒーだけ、昼は名駅のコンビニでサラダやおにぎり程度。夕食も遅い時間になるため軽めに済ませていました。
『太りたくない』という思いもあって、お肉や魚を意識的に避けていたんです。お肉は脂っこくてカロリーが高そうだし、魚も調理法によってはカロリーが上がりそうで。雑誌やテレビでも『野菜中心の食事で健康的にダイエット』みたいな特集ばかりで、タンパク質の重要性なんて考えたこともありませんでした。
でも気づけば疲れが取れず、肌もカサカサ。階段を上るだけで息切れし、髪の毛も細くなってきました。これまで効果があったスキンケアも効かなくなって、『もう年齢のせいかな』と諦めかけていました。
最初に試したこと
コラーゲンサプリメントや更年期サプリメント、エナジードリンクで乗り切ろうとしましたが、一時的な効果しかありませんでした。
転機となったのは
健康診断で医師から『タンパク質不足が原因かもしれませんね』と指摘されたことです。『1 日のタンパク質摂取量が 30g 程度しかない。推奨量は 50g なので、まずは朝食に卵を 1 個追加してみて』というアドバイスから始めました。
3 ヶ月後の変化
朝食に卵、昼食にはサラダチキンやツナを追加。夕食も魚や豆腐を必ず摂るようにしました。間食もプロテインバーやチーズに変更。
『こんなに食べて太らないかな』と心配でしたが、逆に体が引き締まってきたんです。午後の疲労感が軽減し、肌の調子も良くなりました。髪にもコシが戻り、同僚から『最近調子良さそうですね』と言われるようになりました。体重は変わらないのに、見た目が若々しくなったのが一番嬉しい変化です。
体験談から分かるポイント
A さんのように、多くの方がダイエット意識から肉や魚を避けてしまい、結果的にタンパク質不足に陥っています。また、忙しい毎日で朝食を抜いたり、コンビニの軽食で済ませたりすることも、タンパク質不足の大きな原因です。
『太る』という心配から避けていたタンパク質ですが、実際には筋肉量を維持し、基礎代謝を上げる効果があるため、むしろ太りにくい体質づくりに役立ちます。
タンパク質不足になりやすい理由
1. 消化能力の低下
年齢とともに、タンパク質の消化に必要な消化酵素「トリプシン」と「ペプシン」の分泌が低下していきます。そのため、若い頃と同じ量を食べても、吸収されにくくなっているんです。
2. 更年期による筋肉量の減少
エストロゲンの低下により、筋肉の構築や維持が難しくなります。そのため、より多くのタンパク質が必要になります。
3. ダイエット志向
「太りたくない」という思いから、肉や魚を避けてサラダ中心の食事になりがちです。でも、タンパク質不足は逆に太りやすい体質を作ってしまいます。
タンパク質不足を解消する実践的な方法
1 日の目標摂取量
- 基本: 体重 1kg あたり 1g(体重 50kg なら 50g)
- 理想: 体重 1kg あたり 1.2g(フレイル予防のため)
- 毎食の目安: 20〜30g ずつ分けて摂取
毎食「手のひらサイズ」を目安に
1 回の食事で、手のひらサイズ(指を除いた部分)のタンパク質源を摂ることを心がけましょう。これで約 20〜25g のタンパク質が摂取できます。
朝食を見直す
朝食を抜いたり、パンとコーヒーだけで済ませていませんか?朝食でタンパク質を摂ることで、1 日の代謝がアップします。
おすすめの朝食メニュー
- 卵料理(目玉焼き、スクランブルエッグ)
- ヨーグルト(ギリシャヨーグルトは特に高タンパク)
- 納豆や豆腐
- チーズトースト
間食でも補給
小腹が空いたときは、タンパク質を含む間食を選びましょう。
おすすめの間食
- ゆで卵
- チーズ
- ナッツ類
- プロテインバー
- 豆乳ラテ
消化吸収を良くするコツ
- 少しずつ増やす: いきなり大量に摂ると胃もたれの原因に。徐々に量を増やしていきましょう。
- よく噛む: 消化を助けるため、1 口 30 回を目安に。
- 温かい料理で: 冷たいものより温かい料理の方が消化しやすいです。
- 発酵食品と一緒に: 納豆やヨーグルトなど、消化を助ける食品と組み合わせましょう。
効果的なタンパク質食品リスト
動物性タンパク質(吸収率が高い)
- 鶏むね肉: 100g あたり 23g
- 豚ロース: 100g あたり 19g
- 鮭: 100g あたり 22g
- 卵: 1 個あたり 6g
- 牛乳: 200ml あたり 7g
- ヨーグルト: 100g あたり 4g
植物性タンパク質(消化にやさしい)
- 豆腐: 1/2 丁(150g)あたり 10g
- 納豆: 1 パックあたり 8g
- 枝豆: 100g あたり 12g
- アーモンド: 20 粒あたり 6g
セラピストからのアドバイス
タンパク質不足は、見た目の老化を早めるだけでなく、心身の健康に大きな影響を与えます。年齢とともに、意識的に摂取量を増やすことが大切です。
ただし、腎臓に持病がある方は医師に相談してください。また、急激に摂取量を増やすと消化不良を起こすこともあるので、体調を見ながら少しずつ増やしていきましょう。
よくある質問
Q: プロテインパウダーは必要ですか?
A: 食事から十分なタンパク質が摂れていれば必須ではありません。ただし、忙しくて食事が不規則な方や、胃が小さくて量が食べられない方には便利な補助食品です。植物性(ソイプロテイン)なら更年期の方にもおすすめです。
Q: タンパク質を摂りすぎると太りませんか?
A: タンパク質は糖質や脂質に比べて太りにくい栄養素です。むしろ、筋肉量を維持することで基礎代謝が上がり、痩せやすい体質になります。ただし、揚げ物など調理法によってはカロリーが高くなるので注意しましょう。
Q: 肉が苦手なのですが、どうすればいいですか?
A: 魚、卵、大豆製品、乳製品など、肉以外にもタンパク質源はたくさんあります。特に大豆製品は消化にやさしく、イソフラボンも含まれているのでおすすめです。組み合わせて摂ることで、必要量を確保できます。
Q: いつ摂るのが効果的ですか?
A: 1 日 3 食に分けて摂るのが理想的です。特に朝食でしっかり摂ると、1 日の代謝がアップします。また、運動後 30 分以内に摂ると、筋肉の回復に効果的です。就寝前は消化に負担がかかるので、夕食は早めに済ませましょう。
Q: タンパク質不足はどのくらいで改善しますか?
A: 個人差はありますが、適切な摂取を始めて 2〜4 週間で疲労感の軽減を実感する方が多いです。肌や髪の変化は 2〜3 ヶ月、筋肉量の増加は 3〜6 ヶ月程度かかります。継続することが大切です。
まとめ
タンパク質不足は、様々な不調の原因になります。疲れやすい、肌荒れ、髪のパサつき、むくみなど、年齢のせいだと諦めていた症状も、タンパク質をしっかり摂ることで改善する可能性があります。
まずは朝食に卵を 1 個追加することから始めてみませんか?小さな一歩が、大きな体調改善につながります。
レポリアでは、お一人おひとりの体調や生活習慣に合わせた施術とアドバイスを行っています。栄養面も含めたトータルサポートで、内側から輝く健康美を目指しましょう。