デスクワークで肩が痛い!トリガーポイントができる3つの原因と予防法

デスクワークで肩が痛い!トリガーポイントができる3つの原因と予防法

デスクワークを続けていると、肩のある特定の部分を押すと「ズーンと響く痛み」を感じたことはありませんか?それはもしかすると「トリガーポイント」かもしれません。

トリガーポイントとは、筋肉の中にできる小さな硬いしこりのようなもので、押すと痛みが他の場所にも響くのが特徴です。デスクワーカーの多くが悩む慢性的な肩こりや首の痛みは、このトリガーポイントが原因になっていることが少なくありません。

この記事では、デスクワークでトリガーポイントができてしまう 3 つの原因と、今日から始められる 5 つの予防法をご紹介します。痛みが出てから対処するのではなく、そもそもトリガーポイントを作らない習慣を身につけることで、快適なデスクワーク環境を手に入れましょう。

トリガーポイントとは?筋肉にできる「痛みの引き金」

トリガーポイント(trigger point)とは、直訳すると「引き金になる点」という意味です。筋肉の中にできる小さな硬結(硬いしこり)で、指で押すと痛みが他の場所にも広がる特徴があります。例えば、肩の特定の点を押すと、首や腕まで痛みが響くような感覚です。

トリガーポイントは、1983 年にアメリカの医師 Janet G. Travell と David G. Simons によって体系化され、筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)として医学的に認められている概念です。単なる「コリ」ではなく、明確な診断基準を持つ医学的な症状として扱われています。

一般的な「肩こり」との大きな違いは、痛みの質と範囲にあります。肩こりは筋肉全体がだるく重い感覚ですが、トリガーポイントはピンポイントで押すと鋭い痛みがあり、その痛みが離れた場所にも伝わります。この「痛みの広がり」を専門用語で「関連痛」と呼びますが、痛みの引き金になっている場所と、実際に痛みを感じる場所が違うのが特徴です。

デスクワーカーにトリガーポイントができやすい理由は、長時間同じ姿勢で作業することで、特定の筋肉に持続的な負荷がかかり続けるためです。特に首から肩にかけての僧帽筋(そうぼうきん)や、首の横にある肩甲挙筋(けんこうきょきん)は、パソコン作業中に常に緊張状態になりやすく、トリガーポイントが形成されやすい部位として知られています。

デスクワークでトリガーポイントができる 3 つの原因

原因 1 |長時間の同じ姿勢による筋肉の持続的緊張

デスクワークの最大の問題は、同じ姿勢を長時間続けることです。人間の筋肉は本来、動いたり休んだりを繰り返すことで健康を保っています。しかし、デスクワークでは筋肉が「ずっと働き続ける」状態になってしまいます。

例えるなら、筋肉を「輪ゴム」だと想像してみてください。輪ゴムを一瞬引っ張るだけなら問題ありませんが、何時間も引っ張り続けたらどうなるでしょうか?輪ゴムは伸びきって弾力を失い、硬くなってしまいます。筋肉も同じように、長時間緊張し続けると柔軟性を失い、硬くなっていきます。

デスクワークによる肩こりは、医学的にも証明されている負のスパイラルによって発生します。長時間同じ姿勢 → 筋肉緊張 → 血流悪化 → 疲労物質蓄積 → さらなる筋肉緊張という悪循環です。特にパソコン作業では、首から肩にかけての僧帽筋、首の横の肩甲挙筋、肩甲骨の間の菱形筋(りょうけいきん)が常に緊張状態になります。医学的には、肩こりに最も関係が深い筋肉はこの「肩甲挙筋」と「僧帽筋」とされています。

これらの筋肉が何時間も収縮し続けると、筋肉内の血流が悪くなり、酸素や栄養が十分に届かなくなります。血流が悪くなると、筋肉を動かすエネルギー源である ATP(アデノシン三リン酸)という物質が不足します。ATP は細胞の中にある「電池」のようなもので、これが足りなくなると筋肉は十分に緩むことができません。そうして部分的に硬いしこりができ、これがトリガーポイントになっていくのです。

原因 2 |前傾姿勢による筋肉への過負荷

デスクワークで多くの方が陥る「猫背」や「前傾姿勢」も、トリガーポイント形成の大きな原因です。特にパソコンのモニターを見る時、無意識に頭が前に出てしまう姿勢は要注意です。

人間の頭の重さは約 4.5〜5.5kg(ボウリングの球程度)と言われています。体重 50kg の方でも、頭だけで約 5kg もの重さがあり、それを首と肩の筋肉で支えているわけです。頭が正しい位置(耳の穴が肩の真上)にある時は、背骨がバランス良く支えてくれるため筋肉への負担は最小限です。

しかし、ニューヨークの脊椎外科医 Kenneth Hansraj 博士の 2014 年の研究によると、頭を前に傾ける角度が大きくなるほど、首や肩への負荷が劇的に増加することが明らかになっています。頭を 15 度前傾させると約 12kg の負荷、30 度では約 18kg、60 度まで傾けると約 27kg もの負荷が頸椎にかかります。わずかに頭が前に出るだけで、首と肩の筋肉が支える重さは 2〜3 倍に増えてしまうのです。

この過負荷が毎日何時間も続くと、僧帽筋の上部や肩甲挙筋は常に引っ張られた状態になります。筋肉は「縮む・緩む」を繰り返すことで健康を保ちますが、ずっと引っ張られ続けると、防御反応として一部が硬く縮んだまま戻らなくなります。これがトリガーポイントの始まりです。

原因 3 |ストレスによる筋緊張の悪化

見落とされがちですが、精神的なストレスもトリガーポイント形成に大きく関わっています。人間の体には自律神経という「体の自動運転システム」があり、これが心拍や呼吸、筋肉の緊張度などをコントロールしています。

自律神経には、活動モードの「交感神経」とリラックスモードの「副交感神経」の 2 つがあります。デスクワークでは、締め切りのプレッシャーや対人関係のストレス、長時間労働などで交感神経が優位になりがちです。交感神経が働くと、体は「戦うか逃げるか」のモードになり、筋肉が無意識に緊張します。

例えるなら、車のアクセルとブレーキのようなものです。交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキ。ストレスフルな状態が続くと、ずっとアクセルを踏みっぱなしになり、筋肉も常に緊張状態です。

医学的にも、交感神経が過度に働くと血管が収縮し、血流が低下することで肩こりが悪化することが確認されています。この状態で物理的な姿勢の問題が重なると、トリガーポイントはさらにできやすくなります。

また、ストレスは睡眠の質も低下させます。睡眠中は本来、副交感神経が優位になり筋肉が十分に緩む時間ですが、ストレスで眠りが浅くなると筋肉の回復が不十分になり、疲労が蓄積してトリガーポイントができやすい状態になってしまうのです。

今日から始められる!トリガーポイントを作らない 5 つの予防法

5 つすべてを一度に始めるのは大変です。まずは以下の優先順位で取り組むことをお勧めします。

【最優先】今日から始めたい 3 つ

  1. 正しい姿勢の意識(予防法 1)- 最も基本で効果的
  2. 30 分に 1 回のストレッチ(予防法 2)- 習慣化しやすい
  3. 定期的なセルフチェック(予防法 5)- 早期発見に有効

【余裕があれば】追加したい 2 つ

  1. 筋力トレーニング(予防法 3)- 週 2〜3 回の継続が必要
  2. ストレス管理(予防法 4)- 生活全体の見直しが必要

忙しい日は最低限、予防法 1 と予防法 2 だけでも実践することで、トリガーポイントの形成を大幅に抑制できます。


予防法 1 |正しい姿勢を意識する

トリガーポイント予防の基本中の基本は、正しい姿勢でデスクワークをすることです。理想的な姿勢のポイントは以下の通りです。

モニターの高さ:目線が自然に向く高さ(やや下向き 10〜15 度)に設定します。モニターが低すぎると頭が前に出て首に負担がかかり、高すぎると顎が上がって首の後ろが圧迫されます。

椅子の高さ:足裏全体が床にしっかりつき、膝が 90 度になる高さに調整します。足が浮いていると体重が太ももに集中し、足がむくむだけでなく骨盤が後ろに倒れて猫背になりやすくなります。

骨盤を立てる座り方:坐骨(お尻の骨)で座ることを意識します。椅子に深く腰掛け、骨盤を立てるようにすると、自然に背筋が伸びます。背もたれには軽く寄りかかる程度にし、腰の部分にクッションを入れると骨盤が安定します。

キーボードとマウスの位置:肘が 90 度に曲がり、肩がリラックスできる位置に置きます。腕を前に伸ばす姿勢が続くと、肩の筋肉が常に緊張してトリガーポイントができやすくなります。

これらの調整は最初は意識が必要ですが、慣れてくると自然に正しい姿勢を保てるようになり、肩への負担が大きく軽減されます。

予防法 2 | 30 分に 1 回の簡単ストレッチ

どんなに正しい姿勢でも、同じ姿勢を続けることは筋肉にとって負担です。30 分に 1 回、簡単なストレッチを取り入れることで、筋肉の緊張をリセットできます。デスクでできる 3 つのストレッチをご紹介します。

首の横倒しストレッチ:椅子に座ったまま、右手で頭の左側を軽く押さえ、首を右側にゆっくり倒します。左の首筋が伸びるのを感じながら 15 秒キープ。反対側も同様に行います。このストレッチは肩甲挙筋を伸ばし、トリガーポイントができやすい部位を直接ケアできます。

※イラストや動画で確認するとより効果的です。「首の横倒しストレッチ やり方」などで検索すると、分かりやすい動画を見つけられます。

肩甲骨寄せストレッチ:両手を後ろで組み、胸を開くように肩甲骨を背骨に寄せます。顎は軽く引いて、肩甲骨の間の筋肉が縮むのを感じながら 10 秒キープ。これを 3 回繰り返します。デスクワークで常に前に出ている肩をリセットできます。

※イラストや動画で確認するとより効果的です。「肩甲骨寄せストレッチ やり方」などで検索すると、分かりやすい動画を見つけられます。

首の後ろストレッチ:両手を頭の後ろで組み、肘を閉じるようにしながら顎を胸に近づけます。首の後ろ全体が伸びるのを感じながら 15 秒キープ。前傾姿勢で硬くなった首の後ろの筋肉をゆるめることができます。

※イラストや動画で確認するとより効果的です。「首の後ろストレッチ やり方」などで検索すると、分かりやすい動画を見つけられます。

これらのストレッチは各 10〜15 秒で完了し、合わせても 2 分程度です。作業の区切りのタイミングで取り入れることで、筋肉の緊張が蓄積する前にリセットできます。

予防法 3 |筋力トレーニングで姿勢保持筋を強化

正しい姿勢を楽に保つためには、姿勢を支える筋肉(姿勢保持筋)を鍛えることも効果的です。特に肩甲骨周りのインナーマッスルを強化すると、デスクワーク中の肩への負担が軽減されます。

肩甲骨寄せエクササイズ:椅子に座った状態で、両手を前に伸ばします。そこから肘を後ろに引きながら肩甲骨を背骨に寄せる動きを 10 回繰り返します。肩甲骨の間の筋肉が働いているのを意識することがポイントです。

壁プッシュアップ:壁から一歩離れた位置に立ち、両手を肩幅に開いて壁につきます。肘を曲げて体を壁に近づけ、再び腕を伸ばして元の位置に戻ります。これを 10〜15 回行います。胸や肩の前側の筋肉を鍛えることで、前傾姿勢を防ぐ効果があります。

これらのエクササイズを週 2〜3 回、3 セットずつ行うだけで、2〜3 週間後には姿勢の保持が楽になることを実感できる方が多いです。筋肉が強くなることで、同じ姿勢を保つための力が少なくて済み、筋肉の緊張が軽減されます。

予防法 4 |ストレス管理と自律神経ケア

物理的なケアだけでなく、精神的なストレスへの対策もトリガーポイント予防には重要です。自律神経のバランスを整えることで、筋肉の過緊張を防ぐことができます。

深呼吸法:1 日に数回、意識的に深呼吸する時間を作りましょう。鼻から 4 秒かけて息を吸い、7 秒息を止め、8 秒かけて口から吐き出す「4-7-8 呼吸法」は、副交感神経を活性化させる効果が期待できます。デスクワークの合間に 3 回行うだけでも、体のリラックスを感じられます。

睡眠の質の改善:就寝前の 1 時間はスマートフォンやパソコンの使用を控え、ブルーライトを避けることで、質の良い睡眠が得られやすくなります。睡眠中は筋肉が修復・回復する大切な時間です。毎日 6〜8 時間の睡眠を確保することを心がけましょう。

短時間の休息:昼休みに 5〜10 分だけでも目を閉じて休む、軽い散歩をするなど、仕事から一時的に離れる時間を作ることも効果的です。リフレッシュすることで交感神経の過剰な働きが抑えられ、午後の作業での筋肉の緊張が和らぎます。

予防法 5 |定期的なセルフケア

既にできているトリガーポイントを早期に発見し、悪化を防ぐために、週に 1〜2 回のセルフチェックを習慣にしましょう。

トリガーポイントのセルフチェック:首から肩にかけての筋肉を指で軽く押してみます。特に痛みを感じる点や、押すと他の場所に痛みが響く点があれば、それがトリガーポイントの可能性があります。首の横、肩の上部、肩甲骨の内側などは特にチェックしたい部位です。

セルフマッサージの基本:トリガーポイントを見つけたら、親指や人差し指で優しく 10〜15 秒程度圧迫します。痛気持ちいい程度の強さで、深呼吸をしながら行うと効果的です。ただし、強く押しすぎると筋肉を傷めることがあるため、無理は禁物です。

温めるケア:入浴時には 40 度程度のお湯に 15〜20 分ゆっくり浸かり、首や肩を温めましょう。温めることで血流が改善され、硬くなった筋肉がほぐれやすくなります。入浴後に軽いストレッチを組み合わせると、より効果的です。

もしトリガーポイントができてしまったら?基本の対処法

予防を心がけていても、トリガーポイントができてしまうことはあります。その場合は、早めの対処が大切です。

虚血性圧迫法:トリガーポイントを見つけたら、指や専用のマッサージボールで 10〜30 秒程度、痛気持ちいい強さで圧迫します。圧迫することで一時的に血流が減り、圧迫を解除すると血液が一気に流れ込んで筋肉の硬結がほぐれやすくなります。1 日 2〜3 回、3〜5 日続けると効果を実感できることが多いです。

ストレッチとの組み合わせ:トリガーポイントを圧迫した後、該当する筋肉をゆっくりストレッチすると、より効果的です。例えば、首の横のトリガーポイントなら、首の横倒しストレッチを組み合わせると良いでしょう。

専門家への相談:セルフケアを 1〜2 週間続けても改善が見られない場合や、痛みが強くて日常生活に支障が出る場合は、専門家に相談することをお勧めします。特に 3 ヶ月以上続く慢性的な痛みは、トリガーポイントが複数の場所に広がっている可能性もあるため、プロの施術が効果的な場合があります。

まとめ|予防が何より大切。今日から実践を

デスクワークでトリガーポイントができる主な原因は、「長時間の同じ姿勢」「前傾姿勢による過負荷」「ストレスによる筋緊張」の 3 つです。これらの原因を理解することで、具体的な予防策が見えてきます。

痛みが出てから対処するのではなく、トリガーポイントを作らない習慣を今日から始めることが何より大切です。正しい姿勢、定期的なストレッチ、適度な筋力トレーニング、ストレス管理、そしてセルフケア。どれも特別な道具や時間を必要としない、小さな習慣の積み重ねです。

最初は意識することが多く感じるかもしれませんが、1 つずつ取り入れていくうちに、自然と体が楽になっていくのを実感できるはずです。快適なデスクワーク環境を手に入れて、肩の痛みから解放された毎日を過ごしましょう。

よくある質問|トリガーポイントと予防法について

Q: トリガーポイントはどうやって見つけたらいいですか?

首から肩にかけての筋肉を指で優しく押してみてください。特に痛みを感じる点や、押すと腕や首に痛みが響く場所があれば、それがトリガーポイントの可能性があります。チェックするポイントは、首の横(耳の下あたり)、肩の上部(首と肩の付け根)、肩甲骨の内側です。痛気持ちいいではなく「ズキンと響く痛み」がある場合は、トリガーポイントができている可能性が高いです。週に 1 回程度、お風呂上がりなどリラックスした状態でセルフチェックする習慣をつけると、早期発見につながります。

Q: セルフケアはどのくらいの頻度で行えばいいですか?

予防目的のストレッチは、デスクワーク中に 30 分に 1 回、各ストレッチを 10〜15 秒行うのが理想的です。筋力トレーニングは週 2〜3 回で十分です。既にトリガーポイントができている場合のセルフマッサージは、1 日 2〜3 回、1 回あたり 10〜30 秒程度の圧迫を 3〜5 日続けることで効果を実感できることが多いです。ただし、やりすぎは逆効果になることもあるため、痛みが強い場合や改善が見られない場合は無理をせず、専門家に相談することをお勧めします。

Q: 予防法を実践してからどのくらいで効果が出ますか?

個人差はありますが、正しい姿勢とストレッチを 1〜2 週間続けると、肩や首の重だるさが軽減されることを実感できる方が多いです。筋力トレーニングの効果は 2〜3 週間後から現れ始め、姿勢を保つのが楽になったと感じられるようになります。既にできているトリガーポイントのケアは、軽度なものなら 3〜5 日で改善が見られますが、数ヶ月以上続いている慢性的なものは、改善に数週間から数ヶ月かかることもあります。大切なのは、即効性を期待しすぎず、継続することです。

Q: ストレッチはどのタイミングでやるのが一番効果的ですか?

デスクワーク中のストレッチは、作業の区切りのタイミングや、30 分に 1 回程度が理想的です。具体的には、会議の前後、資料作成が一段落したとき、メールチェックの後などが取り入れやすいでしょう。また、朝起きた直後と就寝前のストレッチも効果的です。朝は筋肉が硬くなっているため、軽めのストレッチで血流を促すことで 1 日を快適に過ごせます。就寝前は、その日の筋肉の緊張をリセットし、質の良い睡眠につながります。

Q: 姿勢を改善するために一番重要なポイントは何ですか?

最も重要なのは「骨盤を立てて座ること」です。骨盤が後ろに倒れていると、背骨の S 字カーブが崩れ、猫背や前傾姿勢になります。椅子に深く腰掛け、坐骨(お尻の骨)で座ることを意識してください。椅子の背もたれと腰の間に小さなクッションを入れると、骨盤が安定しやすくなります。また、モニターの高さと距離も重要で、目線がやや下向き(10〜15 度)になる高さ、画面から 40〜50cm 離れた距離が理想的です。最初は意識が必要ですが、2〜3 週間続けると自然に正しい姿勢を保てるようになります。

Q: マッサージとトリガーポイントケアの違いは何ですか?

一般的なマッサージは、筋肉全体を広くほぐすことで血流を促進し、リラックス効果をもたらします。一方、トリガーポイントケアは、筋肉内の特定の硬結(しこり)をピンポイントで圧迫することで、痛みの原因となっている点を直接アプローチする方法です。トリガーポイントケアでは、痛みのある点を 10〜30 秒程度持続的に圧迫する「虚血性圧迫法」が基本になります。どちらも効果的ですが、慢性的な痛みがある場合はトリガーポイントケアの方が根本的な改善につながることが多いです。

Q: トリガーポイントの再発を防ぐにはどうすればいいですか?

再発防止の鍵は「予防習慣の継続」です。痛みがなくなったからといって以前の姿勢や習慣に戻ると、再びトリガーポイントができやすくなります。正しい姿勢の維持、30 分に 1 回のストレッチ、週 2〜3 回の筋力トレーニング、ストレス管理を日常に組み込むことが大切です。また、月に 1 回程度、首から肩にかけてのセルフチェックを行い、小さな硬結があれば早めにケアすることで、慢性化を防げます。デスクワーク環境の見直しも定期的に行い、モニターの高さや椅子の位置が適切かを確認しましょう。

Q: どんな症状があったら専門家に相談すべきですか?

以下のような症状がある場合は、セルフケアだけでなく専門家に相談することをお勧めします。① 痛みが 3 ヶ月以上続いている慢性的な状態、② セルフケアを 2 週間続けても改善が見られない、③ 痛みで夜眠れない、仕事や日常生活に支障が出ている、④ 腕や手にしびれがある、⑤ 頭痛やめまいを伴う場合です。特に、しびれを伴う場合は神経が圧迫されている可能性もあるため、早めの受診が必要です。また、突然強い痛みが出た、交通事故の後に痛みが続いているなどの場合も、自己判断せず医療機関や専門家に相談してください。