
夏本番を迎え、紫外線が気になる季節になりました。「日焼け止めを塗らないと外出できない」「でも最近、ビタミン D 不足も心配」そんな悩みを抱える 女性は多いのではないでしょうか。
紫外線対策は確かに大切ですが、完全に日光を遮断してしまうと、今度はビタミン D 不足という別の健康問題に直面してしまいます。実は現在、日本人の約 80%がビタミン D 不足という調査結果もあるんです。
今回は、美肌を守りながら必要なビタミン D も補給できる、紫外線との上手な付き合い方について詳しくご紹介します。
紫外線の基礎知識:UV-A と UV-B の違いを理解しよう
紫外線には主に 3 つの種類がありますが、地表に届くのは UV-A と UV-B の 2 種類です。それぞれの特徴を理解することが、効果的な対策の第一歩となります。
UV-A(長波長紫外線)
- 地表に届く紫外線の約 95%を占める
- ガラスを通過する(約 50〜70%、ガラスの種類により異なる)
- 肌の奥深く(真皮層)まで到達
- シワやたるみの原因となる「光老化」を引き起こす
- 1 年中ほぼ一定の量が降り注ぐ
UV-B(中波長紫外線)
- 地表に届く紫外線の約 5%
- ガラスを通過しない
- 肌の表層に作用
- 日焼けやシミの原因
- ビタミン D 生成に必要な紫外線
- 夏(特に 8 月)に最も多くなる
紫外線がもたらす健康への影響
健康被害(デメリット)
急性影響
- 日焼け: サンバーン(赤み)とサンタン(褐色変化)
- 紫外線角膜炎: スキー場での「雪目」など
- 免疫機能低下: 一時的に感染症にかかりやすくなる
慢性影響
- 皮膚の老化: シミ、シワ、たるみ、毛穴の開き
- 皮膚がんリスク: 長年の蓄積により発症リスクが上昇
- 眼疾患: 白内障、翼状片(農業・漁業従事者に多い)
健康効果(メリット)
ビタミン D 生成
紫外線(UV-B)により皮膚でビタミン D が生成され、以下の効果が期待できます:
- 骨の健康: カルシウム吸収を促進し、骨粗しょう症予防
- 免疫力向上: 感染症への抵抗力を高める
- 精神面の安定: セロトニン分泌を促し、気分を安定させる
- 睡眠の質向上: メラトニン分泌をサポート
- がん予防: ビタミン D によりがん死亡率が 12%減少
更年期世代の紫外線対策のポイント
47 歳前後の更年期世代は、ホルモンバランスの変化により紫外線の影響を受けやすくなります。エストロゲンの減少により、肌のバリア機能が低下し、シミができやすく、回復も遅くなる傾向があります。
この時期は特に、「守る」と「補う」のバランスが重要です。過度な紫外線対策でビタミン D 不足になると、骨密度の低下や気分の落ち込みなど、更年期症状を悪化させる可能性があります。
適切な日光浴の方法
季節別の推奨時間(地域により異なります)
夏季(5 月〜8 月)
- 15〜30 分程度(東海地方・名古屋の目安)
- 両手のひら程度の露出で十分
- 朝の時間帯がおすすめ
冬季(11 月〜2 月)
- 30〜100 分程度(地域により大きく異なる)
- より広い面積の肌露出が必要
- 正午前後の時間帯を活用
※北海道では冬季に約 80 分、沖縄では約 10 分と地域差があります
効果的な日光浴のポイント
- 時間帯: 紫外線が強すぎない午前中(9〜11 時)がベスト
- 露出部位: 顔と手だけでなく、腕や脚も露出すると効率的
- 頻度: 週 3〜4 回でも効果あり
- 注意点: 日焼け止めを塗るとビタミン D 生成が阻害される
ガラス越しや日陰での日光浴の効果
ガラス越しの日光浴
残念ながら、ガラス越しではビタミン D は生成されません。
- UV-B(ビタミン D 生成に必要)はガラスを通過しない
- UV-A(老化の原因)は約 50〜70%通過してしまう
- つまり、美容面でのデメリットのみ受けることに
日陰での日光浴
日陰でもビタミン D 生成は可能です。
- 紫外線は直射光だけでなく、散乱光や反射光も存在
- 直射日光の約半分の紫外線量
- 必要な日光浴時間は約 2 倍(30 分程度)
屋内でビタミン D を得る方法
- 窓を開けて日光浴(網戸越しは OK)
- ベランダや庭での日光浴
- 日当たりの良い場所で窓を開けて過ごす
職業別・ライフスタイル別の紫外線対策
デスクワーク中心の方(IT 企業勤務など)
オフィスビルでの効率的な対策
- 昼休みは屋外のベンチで 15 分程度過ごす
- 会社の非常階段の踊り場(窓がある場合)を活用
- 近くの公園まで歩いてランチを買いに行く
- 窓際の会議室を積極的に利用
外回り営業の方(保険営業など)
過度な紫外線を避けつつビタミン D も確保
- 朝の移動時間(9〜10 時)に手のひら日光浴
- 10〜14 時の強い時間帯は日傘・サングラスを必携
- 営業先への移動は地下道や日陰を選択
- 夕方(16 時以降)は日焼け止めを薄くして適度に日光を浴びる
接客業の方(百貨店勤務など)
室内照明と紫外線の関係
- 蛍光灯からの紫外線は極めて微量(心配不要)
- LED ライトからは紫外線はほぼ出ない
- 休憩時間に屋上庭園や外の空気を吸いに出る
- メイクの上から使える日焼け止めスプレーを活用
リアルタイムで紫外線情報を知る方法
公式サイト
気象庁
- UV インデックス分布図を毎時更新
- 実測値に基づく正確な情報
- https://www.data.jma.go.jp/env/uvindex/
tenki.jp(日本気象協会)
- 全国主要都市の UV 指数を 5 段階表示
- 「紫外線厳重注意前線 2025」を発表
- 地域ごとの詳細な予報
ウェザーニュース
- GPS 機能で現在地の UV 予報
- 時間ごとの紫外線強度
- 日焼け止めの必要性をアドバイス
モバイルアプリ
iOS
- 「UV 予報」: 肌タイプ別の日焼け時間計算機能付き
- 「UV 指数ウィジェット」: ホーム画面で確認可能
Android
- 「UV Index - Tan Widget」: ビタミン D 生成時間も表示
紫外線対策に良い食べ物・栄養素
リコピン(推奨摂取量:15〜20mg/日)
効果
- 強力な抗酸化作用
- UV 損傷を内側から軽減
- 日焼けによる赤みや色素沈着を抑制
おすすめ食品
- 完熟トマト(赤いほどリコピンが豊富)
- 金時人参
- スイカ、グレープフルーツ(ピンク)
摂取のコツ
- 油と一緒に加熱調理(吸収率が大幅 UP)
- 朝食時の摂取が最も効率的
ビタミン C
効果
- メラニン生成を抑制
- できてしまったメラニンを還元
- コラーゲン生成をサポート
おすすめ食品
- パプリカ(特に赤・黄)
- ゴーヤ
- 芽キャベツ
- キウイフルーツ
注意点
- 柑橘類の皮に含まれるソラレンは光毒性があるため注意
- 果実を食べる分には問題なし
その他の抗酸化栄養素
ビタミン E
- アーモンド、かぼちゃ、アボカド
- 細胞膜を保護し、紫外線ダメージを軽減
ポリフェノール
- 緑茶カテキン、大豆イソフラボン、ブルーベリーのアントシアニン
- 活性酸素を除去し、肌の老化を防ぐ
ベータカロテン
- にんじん、ほうれん草、かぼちゃ
- 体内でビタミン A に変換され、肌と粘膜を健康に保つ
実践的な紫外線対策
朝のルーティン
- 抗酸化朝食: トマトジュース+オリーブオイル入りサラダ
- 日焼け止め: SPF30・PA++以上を顔と手に
- UV 予報チェック: アプリで 1 日の紫外線量を確認
日中の過ごし方
デスクワークの方
- 昼休みに 15 分程度の散歩(手のひら日光浴)
- 窓際での仕事は UV-A に注意
外回りの方
- 10〜14 時は日陰を活用
- 日傘とサングラスを併用
- こまめな水分補給
夜のケア
- 抗酸化夕食: ビタミン ACE 豊富な食材を意識
- 保湿ケア: 日中のダメージをしっかり修復
- 質の良い睡眠: 肌の再生を促進
日傘とサングラスの選び方
日傘選びのポイント
素材と色
- 内側は黒色がベスト(照り返しを吸収)
- 外側は白でも黒でも UV カット率に大差なし
- UV カット率 99%以上の表示を確認
形状
- 大きめサイズで顔から肩まで影になるもの
- 深張りタイプは横からの紫外線もブロック
サングラスの選び方
レンズ
- 紫外線透過率 0.1%以下を選択
- 色の濃さと UV カット率は無関係
- 顔にフィットする大きめサイズ
注意点
- 安価な製品は逆効果の可能性(瞳孔が開いて紫外線が入る)
- 信頼できるメーカー品を選ぶ
セラピストからのアドバイス
皆様にお伝えしたいのは、「完璧を求めすぎない」ということです。
紫外線を完全に避けようとするあまり、ビタミン D 不足で骨密度が低下したり、免疫力が落ちたりしては本末転倒です。逆に、美肌のことを考えずに無防備に日光を浴びすぎるのも問題です。
大切なのはバランス。朝の通勤時に手のひらだけ日光を浴びる、週末は日陰で 30 分過ごすなど、無理のない範囲で日光と触れ合う時間を作ってみてください。
また、内側からのケアも忘れずに。トマトやパプリカなど、抗酸化作用の高い食材を積極的に取り入れることで、紫外線に負けない肌づくりができます。
40 代は肌の曲がり角と言われますが、正しい知識と適切なケアで、健康的な美肌を保つことは十分可能です。紫外線を敵視するのではなく、上手に付き合っていきましょう。
紫外線ダメージのアフターケアも大切
日々の紫外線対策と並行して重要なのが、受けてしまったダメージのケアです。特に 40 代以降は肌の回復力が低下するため、プロフェッショナルなケアが効果的です。
当サロンでは、紫外線を浴びた後の肌ダメージに対して、テラヘルツ波(微弱電流)を使用したアフターケアを行っています。近年の科学的研究により、テラヘルツ波には紫外線による炎症を抑制したり、細胞の代謝を活性化させたりする作用が報告され、注目を集めています。このケアは、コラーゲン生成を促し、紫外線によって乱れがちな肌のターンオーバーを整えることで、内側からの修復プロセスをサポートすると期待されています。
また、外回りや立ち仕事で紫外線を浴びることが多い方は、むくみや疲労感も同時にケアできる全身トリートメントがおすすめです。紫外線による疲労は見た目だけでなく、体の内側にも蓄積されています。
よくある質問
Q: 日焼け止めを塗ってもビタミン D は作られますか?
A: 実験室環境下では、SPF30 以上の日焼け止めを塗ると、ビタミン D 生成は 5%以下に減少すると報告されています。ただし、実生活では塗る量や塗りムラなどにより、完全に遮断されることは少ないと考えられています。そのため、手のひらだけは日焼け止めを塗らずに日光浴をする「手のひら日光浴」がおすすめです。手のひらにはメラニン色素が少ないため、日焼けの心配も少なく、効率的にビタミン D を生成できます。
Q: 曇りの日でも紫外線対策は必要ですか?
A: はい、必要です。曇りの日でも紫外線の約 60〜80%は地表に届いています。特に UV-A は雲を通過しやすいため、曇りの日でも油断は禁物です。ただし、ビタミン D 生成の観点からは、曇りの日は晴れの日より長めの日光浴時間が必要になります。
Q: 室内で窓際にいれば日光浴の効果はありますか?
A: 残念ながら、窓ガラス越しではビタミン D は生成されません。ビタミン D 生成に必要な UV-B はガラスを通過しないためです。窓を開けるか、ベランダに出るなど、直接日光を浴びる必要があります。ただし、老化の原因となる UV-A は窓ガラスを通過するので、長時間窓際にいる場合は注意が必要です。
Q: 食事だけでビタミン D は補えますか?
A: 食事のみで必要なビタミン D を摂取するのは困難です。成人の 1 日の推奨摂取量は 15μg ですが、食事から摂取できるのは平均 5.5μg 程度。残りの約 10μg は日光浴で補う必要があります。ビタミン D を多く含む食品(サケ、サバ、きのこ類)を意識的に摂りつつ、適度な日光浴を心がけましょう。
Q: 40 代になって急にシミが増えた気がします。今から対策しても遅いですか?
A: 決して遅くありません。40 代は確かに肌の代謝が落ちてシミが目立ちやすくなりますが、適切なケアで進行を遅らせることは可能です。外側からの紫外線対策と、内側からの抗酸化ケア(リコピンやビタミン C 摂取)を組み合わせることで、これ以上のシミ増加を防ぎ、既存のシミも薄くすることが期待できます。さらに、プロのケアを受けることで、より効果的な改善が期待できます。
まとめ
紫外線対策とビタミン D 補給は、一見相反するように思えますが、正しい知識があれば両立は可能です。朝の 15 分程度の日光浴、抗酸化食品の摂取、そして適切な日焼け止めの使用。この 3 つを基本に、自分のライフスタイルに合った紫外線との付き合い方を見つけてください。
健康的な美肌は 1 日にして成らず。でも、今日から始める小さな習慣の積み重ねが、5 年後、10 年後の肌と健康を大きく左右します。紫外線を味方につけて、内側から輝く健康美を手に入れましょう。
紫外線ダメージが蓄積しやすい夏の季節、セルフケアと併せてプロのケアも取り入れることで、より効果的な肌の健康管理が可能になります。
名古屋駅から徒歩 10 分の当サロンで、紫外線によるダメージをケアしてみませんか?完全個室でリラックスしながら、あなたの肌と体を内側から整えるお手伝いをさせていただきます。