月 3 万円のスキンケアを続けても、鏡を見るたびにため息…。「どうして私の肌だけ変わらないの?」そんな悩みを抱える方は少なくありません。実は、どれだけ高価な美容液を使っても、肌の土台が整っていなければ本質的な改善は難しいのです。
セラピストとして多くの方の肌を見てきた経験から言えるのは、くすみやむくみが改善しない原因の多くは「真皮層の血流低下」にあるということ。今回は、表面的なケアではなく、肌の内側から変える肌質改善アプローチについて解説します。
なぜ高級スキンケアでは改善しないのか
私たちが毎日使っている美容液やクリームは、どこまで肌に届いているのでしょうか。実は、化粧品成分が届くのは表皮の角質層、つまり肌表面のわずか 0.02mm ほどの範囲までです。
肌の構造を見てみると、表皮の下には「真皮」と呼ばれる層があります。この真皮こそが肌のハリや弾力を支える土台であり、コラーゲンやエラスチンといった美容成分が存在する場所です。しかし、化粧品はこの真皮層には届きません。
真皮の血流が肌質を左右する理由
真皮層には毛細血管が張り巡らされており、血液を通じて酸素や栄養が運ばれています。この真皮層の毛細血管の血流が十分に機能していれば、肌細胞は活発に働き、ターンオーバーも正常に保たれます。
しかし、加齢やストレス、運動不足などにより血流が低下すると、肌細胞への栄養供給が滞ります。その結果、新しい細胞が作られにくくなり、古い角質が蓄積してくすみとなって現れるのです。また、老廃物の排出も滞るため、むくみやたるみの原因にもなります。
特に 30 代以降は、年齢とともに毛細血管が減少することが分かっています。表面的なケアだけでは、この根本的な問題にアプローチできないため、どれだけ高価なスキンケアを使っても「何も変わらない」と感じてしまうのです。
更年期世代は特に注意が必要
40 代後半から 50 代にかけては、女性ホルモンの減少により肌質が大きく変化する時期です。エストロゲンの低下は、コラーゲン生成の減少や血管の弾力性低下を招き、血流がさらに悪化しやすくなります。
この時期は「いつものスキンケアが急に効かなくなった」と感じる方が多いのですが、それは肌表面の問題ではなく、ホルモンバランスの変化による真皮の血流低下が関係しています。表面的なケアだけでなく、血流改善を意識したアプローチがより重要になる年代と言えます。
真皮の血流を改善する 3 つのアプローチ
当サロンでは、真皮の血流を改善するために 3 つの技術を組み合わせた施術を行っています。それぞれのメカニズムを理解することで、なぜ肌の内側から変化が起こるのかが見えてきます。
テラヘルツ素材による温熱効果
テラヘルツ素材とは、特定の波長域の遠赤外線を放射する素材のことです。一部では「テラヘルツ波の波動効果」といった説明を見かけますが、これは科学的根拠が不十分な表現です。
ここで重要なのは、テラヘルツ素材が放射する遠赤外線の特性です。遠赤外線は皮膚表面で効率よく吸収され、その熱が血流によって体内に伝わることで、じんわりとした温熱効果が得られます。この温熱効果により、毛細血管が拡張し、血流が促進されます。
微弱電流による表情筋へのアプローチ
2 つ目のポイントは、微弱電流を使った筋肉へのアプローチです。顔には 20 種類以上の表情筋があり、これらの筋肉が血液を送り出すポンプの役割を果たしています。
微弱電流は、人体に流れている生体電流と同レベルの弱い電流のため、体に負担をかけずに筋肉の深層まで刺激を届けることができます。電気刺激により表情筋が収縮と弛緩を繰り返すことで、血液やリンパ液の流れが促進されます。
特に、普段あまり使わない筋肉や、凝り固まっている筋肉にアプローチすることで、停滞していた血流が動き出します。この「筋肉ポンプ機能の活性化」が、むくみやくすみの改善に直結するのです。
専門マッサージ技術との融合
機器の力だけに頼るのではなく、セラピストの手技による深部マッサージも重要な要素です。顔の骨格は複雑で、筋肉や血管、リンパ節が密集しています。解剖学に基づいた手技で、一人ひとりの骨格に沿ってアプローチすることで、効率的に血流とリンパの流れを改善できます。
特に重要なのは、顔だけでなく首や肩からのアプローチです。顔の血液やリンパ液は、最終的に首を通って体全体に流れていきます。首や肩が凝り固まっていると、顔の老廃物がスムーズに流れません。全体の流れを整えることで、より効果的な改善が期待できます。
【施術事例】40 代女性・慢性的なくすみの改善
当サロンにいらっしゃった A さん(40 代女性)の事例をご紹介します。A さんは、高級スキンケアラインを使い続けているにもかかわらず、顔全体のくすみと目の下のたるみに悩んでいました。
初回のカウンセリングで肌を確認したところ、やはり血流の低下が見られました。肌温度が低く、触れると冷たさを感じるほどでした。また、表情筋の緊張も強く、特に咬筋(エラの部分)が硬くなっていました。
初回施術では、まず首・肩の緊張をほぐすことから始めました。その後、微弱電流を流して表情筋にアプローチ。最後に、顔面骨格に沿った深部マッサージで仕上げました。
施術直後は、「顔が軽い」「目が開けやすい」という感想をいただきました。血流が改善されたことで、肌のトーンも明るくなっていました。
A さんは 2 週間に 1 回のペースで 3 回継続されましたが、3 回目の終了時には「朝起きたときの顔のむくみが明らかに減った」「ファンデーションのノリが変わった」とのお声をいただきました。個人差はありますが、継続することで真皮の血流が整い、肌の土台が変わっていくことを実感された事例です。
※個人の体験であり、効果には個人差があります。
真皮の血流改善が肌質を変えるメカニズム
では、なぜ真皮の血流が改善すると肌質が変わるのでしょうか。そのメカニズムを 3 つのポイントで説明します。
1. 酸素と栄養の供給力が高まる
血液は、酸素と栄養を全身の細胞に届ける「運搬役」です。血流が改善すると、真皮層の細胞に十分な酸素と栄養が届くようになります。
特に重要なのは、コラーゲンやエラスチンを生成する「線維芽細胞」への栄養供給です。この細胞が活発に働くことで、肌のハリや弾力が保たれます。血流が滞ると、線維芽細胞の働きが低下し、コラーゲン生成も減少してしまいます。
2. 老廃物の排出が促進される
血流改善のもう一つの効果は、老廃物の排出です。細胞の代謝によって生まれた老廃物は、血液やリンパ液によって回収され、体外に排出されます。
血流が滞ると、老廃物が組織に蓄積し、むくみやくすみの原因となります。特に、目の下やフェイスラインは老廃物が溜まりやすい部位です。血流とリンパの流れを同時に改善することで、これらの老廃物がスムーズに排出され、すっきりとした輪郭が戻ってきます。
3. ターンオーバーの正常化
肌のターンオーバー(細胞の生まれ変わり)は、通常 28〜45 日周期で起こります。しかし、血流が低下すると、このサイクルが乱れ、古い角質が蓄積しやすくなります。
真皮の血流が改善されると、基底層(表皮の一番下)で新しい細胞が活発に生まれます。新しい細胞が正常に押し上げられることで、古い角質は自然に剥がれ落ち、透明感のある肌が保たれます。
自宅でできる血流ケア|サロン施術との併用で効果アップ
サロンでの専門的な施術に加えて、自宅でのセルフケアを取り入れることで、血流改善の効果をより長く維持できます。ここでは、日常生活で実践できる血流ケアの方法をご紹介します。
温冷交互浴で血管を鍛える
朝晩の洗顔時に、温水と冷水を交互に使う「温冷交互浴」は、血管の収縮と拡張を促し、血流を改善する効果があります。温水(38〜40℃)で 30 秒、冷水(20℃ 前後)で 10 秒を 3〜5 回繰り返すのが目安です。
ただし、急激な温度変化は肌に負担をかける場合があるため、敏感肌の方や赤ら顔が気になる方は、温度差を控えめにしましょう。個人差がありますので、肌の状態を見ながら調整してください。
耳たぶマッサージで顔全体の血流を促す
耳の周辺には多くのツボとリンパ節があり、ここを刺激することで顔全体の血流が改善されます。耳たぶを軽くつまんで、上下左右にゆっくり引っ張る動作を各 5 回ずつ行います。
さらに、耳全体を手のひらで覆うように包み、円を描くように優しくマッサージすると、首や肩の血流も促進されます。デスクワークの合間や入浴中など、1 日 2〜3 回実践するのがお勧めです。
鎖骨リンパを流して老廃物の排出を促す
顔のむくみやくすみ改善には、鎖骨周辺のリンパを流すことが重要です。鎖骨の上にある窪みに指を軽く当て、中心から外側に向かって優しく流します。力を入れすぎず、「軽く撫でる」程度の圧で十分です。
朝のスキンケア時や就寝前に行うと、顔の老廃物がスムーズに排出されやすくなります。サロン施術の効果を維持するためにも、日常的に取り入れてみてください。
血流を低下させない生活習慣
日常生活の中で、血流を低下させる習慣を見直すことも大切です。以下のポイントを意識してみましょう:
- 水分不足を避ける: 1 日 1.5〜2 リットルの水分摂取を目安に(個人差あり)
- 長時間のスマホ操作を減らす: 首や肩の緊張が顔の血流を悪化させます
- 適度な運動を取り入れる: 週 2〜3 回、30 分程度のウォーキングでも効果的
- 冷えを防ぐ: 特に秋冬や冷房が強い時期は、首や肩を温める工夫を
- 睡眠の質を高める: 就寝前のスマホを控え、7 時間程度の睡眠を確保
これらの習慣は、肌の血流だけでなく、全身の健康維持にもつながります。無理のない範囲で、できることから始めてみましょう。
施術の頻度と費用の目安
血流改善の施術は、継続することで効果を実感しやすくなります。一般的な目安としては、以下のペースをお勧めしています:
初期集中ケア(1〜2 か月目)
最初の 3 回は、2 週間に 1 回のペースで施術を受けると、肌の変化を実感しやすくなります。この期間に真皮の血流を整えることで、その後のメンテナンスがスムーズになります。
メンテナンスケア(3 か月目以降)
血流の状態が安定してきたら、1 か月に 1 回のペースで維持していくのが理想的です。季節の変わり目や体調の変化に合わせて、ペースを調整することも可能です。
費用について
施術内容や組み合わせにより異なりますが、フェイシャルケアの一般的な相場としては、1 回あたり数千円〜1 万円台が目安です。当サロンでは、継続しやすい価格設定を心がけています。詳しくはカウンセリング時にご相談ください。
セルフケアと組み合わせることで、サロンケアの頻度を抑えながらも効果を維持することが可能です。無理のない範囲で、ご自身のライフスタイルに合ったケア計画を一緒に考えましょう。
よくある質問(Q&A)
Q: テラヘルツ波には本当に効果があるのですか?
テラヘルツ波そのものの生体効果については、まだ科学的に十分な根拠が確立されていないのが現状です。当サロンで使用しているのは、テラヘルツ素材が放射する遠赤外線の温熱効果を活用した施術です。
遠赤外線は皮膚表面で効率よく吸収され、その熱が血流によって体内に伝わることで、じんわりとした温熱効果が得られます。「波動」や「エネルギー」といった抽象的な効果ではなく、温熱による血管拡張という具体的なメカニズムに基づいた施術とご理解ください。
Q: 1 回の施術でどのくらい効果を感じられますか?
個人差がありますが、多くの方は初回施術後に「顔が軽くなった」「肌のトーンが明るくなった」という即時的な変化を感じられます。これは、血流が改善され、老廃物が流れたことによる一時的な効果です。
ただし、根本的な肌質改善には継続が必要です。真皮の血流を整え、肌の土台を変えていくには、2 週間〜1 か月に 1 回のペースで 3〜5 回程度の継続をお勧めしています。回数を重ねるごとに、むくみにくくなった、くすみが気にならなくなったという持続的な変化を実感される方が多いです。
Q: 痛みはありますか?
微弱電流やテラヘルツ素材による施術自体に痛みはありません。ピリピリした感覚もほとんど感じないレベルの電流です。
ただし、マッサージの部分では、筋肉の凝りが強い部分や老廃物が溜まっている部分に「イタ気持ちいい」程度の圧を感じることがあります。強さは調整できますので、遠慮なくお伝えください。無理に強い圧をかけることはありません。
Q: 高級スキンケアと併用しても大丈夫ですか?
もちろん大丈夫です。むしろ、施術で真皮の血流が改善されることで、普段お使いのスキンケア成分も角質層により浸透しやすくなります。
ただし、施術当日は肌が敏感になっている場合があるため、刺激の強い成分(レチノールやピーリング系)の使用は翌日以降にしていただくことをお勧めしています。施術後は、シンプルな保湿ケアで十分です。
Q: 何歳から受けられますか?年齢制限はありますか?
施術に年齢制限はありません。ただし、肌質改善の必要性を感じ始める 25 歳以降の方に特にお勧めしています。
30 代以降は毛細血管が減少し始める時期ですので、真皮の血流を整える施術は特に効果的です。40 代〜50 代の方で更年期による肌質変化を感じている方にも好評です。お肌の状態は個人差が大きいため、まずはカウンセリングでご相談ください。
Q: 自宅でのセルフケアとの違いは何ですか?
自宅でのセルフケアも大切ですが、真皮の血流を改善するには限界があります。特に、表情筋の深層や顔面骨格に沿った深部へのアプローチは、専門的な知識と技術が必要です。
また、微弱電流の機器は家庭用もありますが、業務用機器は出力や機能が異なります。セラピストの手技と機器を組み合わせることで、より効率的に深部までアプローチできます。サロンケアで土台を整え、自宅ケアで維持するという使い分けがお勧めです。
Q: どのくらいのペースで通うのが効果的ですか?
肌のターンオーバー周期を考えると、2 週間〜1 か月に 1 回のペースが理想的です。初めの 3 回は 2 週間ごと、その後は 1 か月に 1 回のメンテナンスという流れが一般的です。
血流改善の効果は、施術後数日間は持続し、その後徐々に戻っていきます。完全に元の状態に戻る前に次の施術を受けることで、良い状態を維持しやすくなります。ただし、無理のないペースで続けることが大切ですので、ライフスタイルに合わせて調整しましょう。
Q: むくみが強い日とそうでない日があります。施術のタイミングは?
むくみの状態に関わらず、定期的に施術を受けることをお勧めします。むくみが強い日は老廃物が溜まっているサインですので、施術の効果をより実感しやすいかもしれません。
ただし、体調が優れない日や、極度に疲労している日は無理をせず、予約を変更していただいても構いません。生理前や生理中はホルモンの影響でむくみやすくなりますが、施術自体は問題ありませんので、ご自身の体調と相談して決めてください。
Q: 他の美容施術(エステやクリニック)と併用できますか?
基本的には併用可能ですが、施術内容によっては間隔を空けた方が良い場合があります。例えば、ピーリングやレーザー治療の直後は肌が敏感になっているため、1 週間程度空けることをお勧めします。
また、ヒアルロン酸注入などの注射系施術との併用については、注入後 2 週間程度は顔のマッサージを避けた方が良いとされています。他の施術を受けている、または予定している場合は、カウンセリング時にお知らせください。最適なタイミングをご提案します。
まとめ|肌の土台から変える選択
どれだけ高価なスキンケアを使っても変化を感じられないのは、あなたの努力が足りないわけではありません。肌の土台である真皮の血流が整っていないことが、本質的な原因かもしれません。
真皮の血流を改善するアプローチは、一時的な変化ではなく、肌質そのものを変えていく可能性を持っています。テラヘルツ素材の温熱効果、微弱電流による筋肉アプローチ、そして専門的なマッサージ技術。この 3 つを組み合わせることで、表面的なケアでは届かない深部から肌を整えることができます。
もちろん、効果には個人差があり、すぐに劇的な変化が現れるわけではありません。しかし、継続することで「むくみにくくなった」「肌のトーンが明るくなった」「化粧ノリが変わった」という変化を実感される方は多くいらっしゃいます。
さらに、日常生活でのセルフケアを取り入れることで、サロン施術の効果をより長く維持できます。温冷交互浴や耳たぶマッサージ、鎖骨リンパのケアなど、無理なく続けられる方法から始めてみてください。
もし今、鏡を見るたびに「何をしても変わらない」と感じているなら、一度、肌の土台から見直してみませんか。あなたの肌には、まだ眠っている可能性があるかもしれません。